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サレジオ会 日本管区 Salesians of Don Bosco

WYD in リオ 「若者は希望のしるし!」


 メディアは、世界青年の日大会・ワールドユースデーに教皇を迎えるリオデジャネイロの治安にまつわる数々の問題や事件を報じたが(一部の地下鉄線の閉鎖、知事に対して、またWYDに公費の使われることに対して抗議するデモの周辺で起きた暴力事件など)、同時に、圧倒的なニュースとなって力強いメッセージを発信したのは、アメリカ大陸と世界各地からやってきてリオの街にあふれた若者たちの存在だった。若い巡礼者たちはさまざまな困難を乗り越えながら集い、ブラジルの人々に喜びをもたらした。
 サレジアン・シスターズのランゴア総長は、サレジオ会のチャーベス総長と共に臨んだ記者会見で次のように語った。「世界各地から来た若者たちは大きなしるしです。キリスト者として喜びにあふれるその姿は、希望のしるしなのです。」
 世界各地のWYD開催地に生まれる感動は、ここリオにも広がった。サレジオ会サンパウロ管区長のカスティリョ神父が会員らとタクシーに乗り、代金を払おうとしたときのこと、運転手は受け取ろうとせず、言った。「代金はいりませんよ! 今日はこのすばらしいWYDに参加している皆さんをお手伝いすることに決めたんです。」
 大会中のプログラムの一つ、「召命展示会」で、チャーベス総長、ランゴア総長らはさまざまな会のブースを回り、修道者や若者たちに次々と声をかけられ、話し込む場面もあった。「召命展示会」では活気に満ちた雰囲気の中、諸修道会・運動・共同体がそれぞれのカリスマや霊性を紹介し、神の呼びかけに応える道を真剣に識別するよう若者たちを招いた。
 ブラジルに向けて出発する前に、ローマのサンタ・マリア・マッジョーレを訪れ、大会と参加者を聖母にゆだねたフランシスコ教皇は、コパカバーナで巡礼者からコップ一杯の水をもらい、リオのカテドラルでアルゼンチンの若者たちと集い、貧しい地区を訪問した際には予定外に訪れた家でそこの家族と交流、取り囲む群衆の中から差し出されるたくさんの赤ん坊たちを祝福、式典や集いではそばにいる人たちに心遣いを示した。福者ヨハネ・パウロ二世や前任者ベネディクト十六世に言及し、大会に来る途中に事故で亡くなった仏領ギアナのソフィー・モルニエールさんのために祈った。教皇はどこでも明確な言葉で語りかけた。
 リオデジャネイロのオラニ・テンペスタ大司教は若者たちが大きな犠牲を払ってやってきたと教皇に紹介したが、確かに大会中、犠牲には事欠かなかった。雨と風の中での開会式となり、やはり雨のため、教皇ミサの会場は郊外のグァラティーバからコパカバーナに変更された。さまざまな困難は、若者たちの勇気と喜びをくじくことはなかった。
 教皇は若者たちに呼びかけた。「WYDの実りとして私は何を期待しているでしょう? ここリオでも、そして皆さんの教区でも、皆さんが“騒ぎ”を起こすことです。ここから出発してほしいのです。教会が街に出かけていってほしいのです。この世のことに捕らわれること、変わろうとしないこと、安楽を求めること、聖職者中心主義に陥って一人ひとりが積極的に教会を造り上げようとしないこと、自分たちの中に閉じこもること、このようなことを警戒してください。小教区も学校も、そのほかの教会の組織も、自分から出て行き、人々に手を差し出さなければなりません。そうしなければ教会はただのNGOになってしまいます。司教や主任司祭の皆さん、皆さんにとって面倒なことになるかもしれませんがおゆるしください。これが私のアドバイスです。そのために働いてくださることを感謝します。」

(ANS ブラジル‐リオデジャネイロ)

http://www.infoans.org/1.asp?sez=1&doc=9478&Lingua=2

http://www.infoans.org/1.asp?sez=1&sotSez=13&doc=9485&Lingua=2