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サレジオ会 日本管区 Salesians of Don Bosco

総長メッセージ5月:常夏の町の扶助者聖母


総長メッセージ(Bollettino Salesiano 2023年5月)

常夏の町の扶助者聖母

私はサレジオの世界を巡る旅で、ドン・ボスコが約束したように、扶助者聖母は明るく照らす灯台、安全な港、御子と、聖母の息子、娘である私たち皆にとっての母なる愛であることを、もう一度、自分自身で目にすることができました。

親愛なる友人、「ボレッティーノ・サレジアーノ」の忠実な読者、ドン・ボスコと彼のかけがえのないカリスマの友人であるすべての皆さま、

この聖母月の今日も、いつものように私が体験し、心を打たれたことを皆さんにお話ししようと思います。同時にその出来事によって、扶助者聖母への信心について私たちが持っている責任のことも反省させられました。その理由をお話ししましょう。

サレジオの町

3月の末、またペルーを訪問した時のことです。私は国の北西の端にある町の、サレジオ会の大事な拠点を訪れることを望みました。それにはいくつかの理由がありました。

‐ 一つ目の理由は、その町の住民が、そこを「常夏の町」(終ることのない暑さの町)と呼んでいるからです。実際、とても暑く、湿度のために余計に暑く感じられます。

‐ そこは同時にとてもサレジオ的な町でもあります。サレジオ会は1世紀以上もそこにあり、とても家庭的で、とても単純、つまりとてもサレジオ的な人間関係と教育上の絆のスタイルが町の精神に浸透しているのです。

‐ とりわけそこはマリアと深く結びついた町です。2つのサレジオの事業所の活動圏にあり、扶助者聖母への信心を大切にしているのです。

‐ 最後に、サレジオ会員がこの町に来て以来、ドン・ボスコの学校で、ことに近年「ボスコニア」と呼ばれるサレジオの事業所で行われてきた素晴らしい教育奉仕を強調したいと思います。「ボスコニア」は慎ましいながら見事な拠点です。町の郊外にあり、そこはかつて暴力的な抗争がより蔓延し、より貧しかった地区でした。多くの人々(一般社会と教会)の共同の尽力、ことにドン・ボスコのカリスマのおかげで、多くの少年少女に職業訓練を受ける機会が提供され、この地区は、変わり続けています。そうでなければ何の機会にも恵まれることはなかった彼らは、そのサレジオの家で仕事の世界のために技術を学び、経験とトレーニングを積んで卒業します。ボスコニアにはサレジオの素晴らしい医療センターもあります。サレジオ家族に属しているダマス・サレシアナスによって運営されています。

「常夏の町」で見たその概要を簡単にお伝えできたと思います。すべてお伝えする価値のあることですが、とくに私の心に触れたのは、扶助者聖母への深い信心です。私が彼らに会いたいと連絡したのは、わずか数週間前だったので、ほぼ即席の集いでしたが、私は3000人を超える群衆に会いました。彼らは扶助者聖母のミサに与るため平日の午後6時に集まるのです。私は父親や母親と一緒の何百人もの子どもや若者たち、そこの地域のいろいろなサレジオのオラトリオの少年少女、ティーンエイジャー、教師や教育にたずさわる人々などに会いました。「常夏の町」という名前は、私が想像するに、私の心を満たしたようにその人々の心を満たしていた信仰、献身、内面性、祈り、歌に比べたら、控えめな名前に思えました。

私はサレジオの世界を巡る旅で、ドン・ボスコが約束したように、扶助者聖母は明るく照らす灯台、安全な港、御子と、聖母の息子、娘である私たち皆にとっての母なる愛であることを、もう一度、自分自身で目にすることができました。

聖母は確実に、私たちが身を委ねるべき御母です。愛する御子のもとに私たちを導いてくださるからです。このことを私はピラウでも目にしたのです。

それは必須条件です

私はさらに小さなコメントを付け足したいと思います。ドン・ボスコの息子、娘である私たち皆にとって必要な自己批判です。即ち‐聖霊はご自身だけが知っておられ働きのうちに、望まれるところへ行き、御身を信じる者の心に触れられます。これは神の御子の御母への信心についても同様のことですが、御母はいつも私たちに信頼することを望まれました。ここで私がとがめる言葉をもって言いたいのは、世界中で、私たちのすべての事業所で、同様の熱意、同様の使徒的情熱をもって、これほどには、天の御母、扶助者聖母への信心を知らせて来なかったということです。私たちが学校をつくり、事業を推進し、着実に人々の善のために尽くしてきた場所はあります。しかし、私たちの御母を知らせ、御母が愛されるように信心を広めることをしてこなかったことがあります。これはドン・ボスコには考えられないことです。同じように、これは私にとっても考えられず、受け入れられないことだと皆さんに言いましょう。なぜなら、もしもドン・ボスコの家族の中で扶助者聖母に信頼することなく、信心を広めることもしない人々がいるなら、その人々はほかの何者かであっても、ドン・ボスコの息子や娘ではないでしょう。この方は私たちの御母です。主の御母としての扶助者聖母への信心は、サレジオのカリスマにとって選択肢の一つではありません。ドン・ボスコにとって選択肢でなかったように。それは不可欠なものなのです。

愛する御子の御母、私たちの助け手が、「常夏の町」(ペルー、ピウラ)においてもそうであるように、世界中のすべての場所で特別な方であり続けることを心から願います。

世界中の皆さんに、扶助者聖マリアの祝日を迎え、お祝い申し上げます。

 

総長アンヘル・フェルナンデス・アルティメ神父

《翻訳:サレジアニ・コオペラトーリ 佐藤栄利子》

 

 

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