福音宣教省次官 サヴィオ・ホン大司教 日本各地を訪問
サヴィオ・ホン大司教, SDB, 福音宣教省次官
パパ・フランシスコ ボランティア・サービスの第2回キャンプのため長崎に
2017年8月21日 佐倉泉
教皇庁福音宣教省次官で、香港出身のサレジオ会員、サヴィオ・ホン・タイ=ファイ大司教は8月12日から19日にかけ日本を訪れた。訪日の主な目的は、長崎で開催された「パパ・フランシスコ ボランティア・サービス第2回キャンプ」に招かれ、若者たちと交流することだったが、その前後、東京の岡田大司教、長崎の髙見大司教と会い、駐日バチカン大使館を訪問、またサレジオ家族と過ごす時を持つことができた。
「パパ・フランシスコ ボランティア・サービス」とは、2014年に韓国、デジョン市で開催されたアジアン・ユース・デーで、「起きよ、光を放て」と語りかけた教皇との出会いをきっかけに、韓国の学生が呼びかけ、日本、台湾などアジアの国々の学生が参加、交流し共に歩もうとしている。今回の長崎キャンプは、昨年ソウルで行われたキャンプに次いで2回目。ちなみに3年に一度のアジアン・ユース・デーは今年、インドネシアで開催された。
韓国のアジアン・ユース・デーにも参加し、今回、招待されたサヴィオ・ホン大司教は講演を行い、若者たちと共にミサをささげ、親しく交流した。講演では、今年の高山右近の列福に触れ、フランシスコ・ザビエル、中国の宣教師マテオ・リッチを思い起し、ながら、友情の大切さ、その友情を普遍的なものにすること、そして超越的次元、神に開かれることの根本的な必要性について語り、若者たちの人生の歩みを励ました。ミサの説教では、高山右近の生き方、聖性に光を当て、語りかけた。
学生たちとのキャンプの前後、短い日程の中、サレジオ会が司牧する浜松教会、聖書学校が行われている野尻湖の山荘、長崎でサレジオ家族との交流のひと時もあった。浜松教会では生き生きとした国際的共同体の人々との親しい交流、茶道体験で日本文化に触れ、野尻湖山荘では聖書学校を通しての日本管区の召命司牧を目にし、サレジアン・シスターズ主催のキャンプも訪れることができた。
19日、日本を発つ直前にインタビューに応えたサヴィオ・ホン大司教は、現代の若者には、二つの挑戦があると言う。「命の尊重」、そして「アイデンティティー、自分を知ること」である。若者の自殺の増加に見られるように、自分や他者の命の重みを感じるのが難しいこと。家庭の崩壊や移住の現象の影響、人生の方向を見いだせず、自分が何者なのか知ることなく表面的な生き方に流されること。このような挑戦を前にする若者たちに、私たちは福音をもって共に歩み、教皇が言うように「識別」を助けるよう呼びかけられている。ドン・ボスコの精神、予防教育法は、まさにそのようにして若者と共に歩む「心の」教育、「若者への神の愛」を運ぶもの、現代が渇き求めている「喜び」、「家庭的精神」、「希望」を掲げるものなのだと、サヴィオ大司教は私たちへのメッセージを残した。