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サレジオ会 日本管区 Salesians of Don Bosco

東京の韓国人サレジオ会員 – 日本宣教への招き


 

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 (Boscolink – 2017年9月1日 日本・東京)
http://www.bosco.link/index.php?mid=webzine&document_srl=25282

By アンドレア・チャン・スンピル神父, SDB
韓国サレジオ会会報146号 – 2017年9月より


ある日、神の呼びかけに心を深く打たれた一人の若いサレジオ会司祭は、その呼びかけに応え、近くて遠い宣教地へ赴いた。東ティモールとベトナムからのほかの3人の若い司祭たちのように、アンドレア神父は2016年から、韓国と日本の両管区の合意にもとづき、日本で働いている。

 

東京よりおはようございます

 目覚ましが鳴り、起こされる。前の晩、遅くまで語学の勉強をして疲れているが、朝のミサに急ぐ。私の日本語はまだ下手だが、日常会話には事足りる。韓国で年配の宣教師たちから、海外に行くと言葉と文化が最も大変な挑戦だと聞かされていた。今はじめてその意味を100%理解できる ‐ 彼らにとってどれほど大変だったことか!

 ミサの後、日本語学校に行くため7時40分に出発。東京の電車はソウルの電車の2倍は混んでいる。終点の新宿まで、途中、大勢の人が乗りこんでくる。新宿でやっと一息つく! しかし、このせわしない群衆の中でも、人を押しのけようとする人や周りに迷惑をかける人を決して見かけない。これは日本人の特徴の一つだ。過去500年都会だったこの町では、市民の皆が気をつかうことに慣れている。そして私は、とてもモダンな街並みを歩いて行き、新宿に近い語学学校に到着する。

日本語に熟達するまで

 私は2016年2月に調布神学院にやって来た。すでに、定期的に行われる日本と韓国の司祭のクィンケニウムを通して、特に日本の副管区長の話を聞いてから、日本でサレジオ会員がどれほど必要とされているか考えるようになっていた。私は、宣教師として働く可能性について識別を始めた。韓国に戻った私は、慎重に管区長にアプローチし、日本に送ってほしいと願い出た。寛大な許しがすぐに与えられた!

 しかし、決まった後でいろいろ心配になってきた。日本は隣の国だが、言葉も気候も、文化も異なる ‐ 自分は環境にうまく適応できるだろうか? 山野内マリオ神父(日本管区長)から、準備のために非常に具体的な指示があった。ビザの手続きを開始し、ソウルで日本語の勉強を始め、日本を理解するためにたくさんの本を読んだ。しかし、東京に到着した私は、全く耳が聞こえなくなって目を覚ましたかのようだった。

 私よりも英語の上手な日本人サレジオ会員は、日常会話で英語を使わなかった。日本に来る前に韓国で日本語を勉強するようにという管区長の強い勧めの意味を、そのときはじめて理解できた! しかし、日本語会話は、比較的早く進歩できた。文の構造は韓国語とそっくりで、多くの似通った慣用表現もあり、ある種の日本語会話をわりあい早く“マスターする”ことができたのだ。1年半がたち、日常会話はずいぶん楽にできるようになった! 漢字をマスターするのは楽ではないので、私の本を読む速度は遅く、日本語の本はいまだに目の不自由な人のための点字のように見える! 言葉に習熟することが、今も私の第一の課題であり、週に5回、日本語学校に通っている!

宣教への小さな招き

 自分の語学力の限界や学校の授業時間のため、今は司牧に多くの時間をかけられない。しかし、サレジオ会司祭として毎月20回以上、日本語でミサをささげることができる(第二奉献文をほぼ暗記で!)。今でも、短い説教を日本語で準備するには時間がかかる。月に2回、電車で三河島教会に出かけ、韓国人信徒のためにミサをささげている。まる1日、オラトリオ、告解、人々との交わりの時を過ごすと、1日の終わりには疲れ切っている。調布教会共同体にはとても活発な日曜学校があり、東京ではイエズス会の聖イグナチオ教会(四谷)に次いで2番目に大きい。調布教会の若者にとって、私はいまだに‘身近にいる外国人’といった感じで、何人かの在日韓国人は語学の勉強を助けてくれている。通常の仕事のほか、年に3、4回、小さな韓国人カトリック共同体によって仙台(東北)に招かれ、またいくつかのカトリック青年グループの同伴をしている。

それでも宣教師

 日本に来てまだ数か月しかたっていないころ、韓国の管区報を通して自分が‘期限付きの宣教師’だということに気づいた。ふつう、海外派遣の宣教師missio ad gentesは生涯をかける。しかし、総長はこのような3年から5年の期限で派遣される宣教の取り組みも奨励している。でも、‘短期派遣’の宣教師というのはあまり聞こえが良くない。韓国管区でも、3年から6年の任期のオベディエンツァがある。いずれにしても、従順によってであれ、自発的にであれ、私は派遣され、ここで宣教師として生活し、この地での福音宣教のために、今、働いている。

 また、宣教地として、日本は多くの生涯をかけた、あるいは短期的な宣教師を必要とする宣教の前線だ。日本管区では、毎年、志願者の数は減っている。また今年も、2人の新たな宣教師が総長によって東京に派遣される。日本のサレジオ会員の平均年齢も上がっている。この1年の間に、9人のサレジオ会司祭、修道士が帰天し、会員数は減っている。そのため、私たちはEAO(東アジア‐オセアニア)のほかの管区から特別に目を向けてもらう必要がある。

 特に教皇フランシスコは、2014年の韓国訪問の際、東アジアのほかの国々の宣教に特別な関心を向け、惜しみなく貢献するようにと求めている。韓国は日本に最も近い隣人であり、痛ましい歴史体験にもかかわらず、多くの文化的な、またそのほかの遺産を共にしている。韓国のカトリック教会の宣教する愛は、遠くアフリカまで赴いている。最も近い隣国である日本の信徒、若者と出会うのに、何も障壁となるものはない。

 

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