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サレジオ会 日本管区 Salesians of Don Bosco

映画『沈黙-サイレンス-』 主人公モデルの墓碑が調布に


 

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By ガエタノ・コンプリ神父

(Boscolink – 2016年12月28日 東京)
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 世界的に著名なマーティン・スコセッシ監督が手掛けた新たな傑作、『沈黙』が間もなく封切られる。3時間近いこの映画は1966年に出版された同名の歴史フィクション小説をもとにしている。その著者は遠藤周作、カトリック作家である。17世紀の日本に送られ、隠れキリシタンの時代の迫害に遭うイエズス会宣教師の物語は、遠藤の代表作、20世紀の小説の傑作の一つとされている。

 この映画と日本のサレジオ会との関連は? それは、日本で働いた最初のサレジオ会宣教師たちの日本のカトリックの歴史に対する情熱である。尊者チマッティ師の後を継いで管区長を務めたクロドヴェオ・タシナリ神父は、迫害時代の話をもとに本や芝居を書いている。小説『沈黙』の主人公セバスティアン・ロドリゲスのモデルは歴史的に実在したジュゼッペ・キアラ神父、シチリアのパレルモ生まれのイエズス会士である(1603‐1685)。

 キアラ神父は1643年に日本に到着、しかし間もなく長崎近郊で捕えられた。その指導者であった日本のイエズス会管区長フェレイラ神父と同様、恐ろしい拷問に耐えかね信仰を棄て、40年後に江戸で亡くなり、戒名を付けられている。1943年、タシナリ神父がキアラ神父の墓碑を発見、その墓碑は現在、東京調布のサレジオ神学院の敷地に置かれ、調布市によって郷土の歴史遺産に認定されている。

 日本に派遣された最初の宣教師の多くはポルトガル人、スペイン人であったが、イタリア人も20人いる。そのうち8人が殉教者として列福されており、その中で、ジョヴァンニ・バッティスタ・シドッティ神父だけが、キアラ神父より後の1708年に来日、1714年に殉教、1867年に列福されている。

 調布のキアラ神父のつつましい墓碑は、小説『沈黙』と映画の物語だけでなく、何よりも、福音と信仰の価値を示した日本の最初の信徒、殉教者たちの生きたあかしを私たちに語る。

◆映画『沈黙-サイレンス-』本予告
https://youtu.be/0cUtOR-DL1A

 

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