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サレジオ会 日本管区 Salesians of Don Bosco

シリア、アレッポ 子どもたちの日常を取り戻すために


シリアのサレジオ会は、1948年にアレッポに技術訓練校を開設したことから始まった。1967年に学校が国有化されたが、その後、1980年、オラトリオやユース・センターが再開された。

反政府勢力と政府の間の武力衝突がシリア各地で続いている。人々の間に緊張は高まっているが、多くのところでは表面上はふだんどおりの生活が営まれている。しかし、状況は刻々と変化している。
混乱に乗じて、車泥棒や身代金目当ての誘拐など、犯罪も起きている。人々の間に対立を煽ろうとする外国の影響を受けた政治的な画策も見られ、これまで諸宗教の人々が平和に共存してきたシリアで、原理主義的な風潮が広がり始めている。
アレッポのサレジオ会は、市内の一部で戦闘が起きているが、子どもと若者たちのための仕事を続け、避難民を受け入れている。人々の間に恐れが広がる中、その存在はますます必要になっている。中東管区の管区長ムニール・エル・ライ神父は、次のように語っている。「シリアのサレジオ会共同体は無事にしていますが、ここ数週間は、状況の深刻さのため、特にダマスコとアレッポですべての活動を停止しなければなりませんでした。カフルーンや山間地域では、地元の子どもたちの活動は続けられ、避難民も受け入れています。数週間前まで、アレッポのオラトリオには400人以上の子どもたちが通っていました。夏休みの活動も順調でした。しかし2週間前から、避難民の人々に集中するため、子どもたちの活動は休止することになりました。戦闘によって、キリスト教徒もイスラム教徒も、多くの人々がホムズを離れました。周りの村々から避難民が入ってきています。」
シリアのキリスト者たち、さまざまなグループや修道会は、避難民を助けている。サレジオ会はその中でも、子どもたちのレクリエーションや勉強の支援をしている。避難民が身を寄せる市内45か所の学校の校舎に本を配布した。食糧も寄付されている。青年ボランティアたちが4、5グループで避難所を回り、子どもたちを励ましている。アレッポでは、サレジアニ・コオペラトーリやそのほかの信徒たちもサレジオ会員と共に働いている。
(ANS – シリア アレッポ2012年8月6日)