シリア 「生きようとする意志は戦争よりも強い」
(ANS – 2016年12月6日 オーストリア・ウィーン)
シリアの人々の生きようとする意志は戦争よりも強い。このことをシリア人サレジオ会員ダニ・ゴーリー神父は強調した。11月30日水曜日、ゴーリー神父はウィーンの「サエジアヌム」で、プロジェクト「難民のためのドン・ボスコ」を立ち上げた人々との協力のうちに、シリアの現状を紹介した。サレジオ会員は以前と同じようにシリアで活動を続けている。4名の会員がダマスカスのユースセンターで働き、3名が西アレッポのオラトリオを運営している。すべての活動は、政府の管理下にあるこれらの地域でのみ可能である。
by ソフィー・ラウリンジャー
サレジオ会はダマスカスで約1250人、アレッポで900人ほどの子どもたちの世話をしている。余暇のさまざまな活動とカテキズムを提供するように努めている。夏にクラクフで開催された世界青年の日大会ワールドユースデーに合わせ、アレッポでイベントを開催、キリスト教のすべての宗派の1200人の若者が参加した。「苦しみがあるにもかかわらず、私たちはたくさんのすばらしい体験ができ、何よりも、神がここにおられることを体験するのです」とゴーリー神父は語る。
サレジオ会は、二つのことを若者に伝えようとしている。「希望と和解」である。この二つがなければ、シリアに未来はない。
ダマスカスとアレッポの最も平穏な地区でも、手りゅう弾の爆発は日常茶飯事だとゴーリー神父は言う。サレジオ会の修道院は境界線から2、3キロしか離れていない。「子どもたちを私たちのところへ送り出すとき、もちろん親は不安です!」 どこも危険だが、「何とか続けてやっていかなければなりません。」 しばらく前に、サレジオのセンターに行くためにバスを待っていた子どもが、爆弾の散弾が当たり命を落とした。
直接の戦闘のないところでは、人々は何とか日常生活を送ろうとしている。しかし、飲み水、食糧、医薬品の十分にない状態にたびたび陥る。子どもたちは戦争に、戦闘機や爆弾に多少とも慣れてしまった。
ダマスカスには、サレジオ会の活動を支える35人のボランティアがいる。夏には100人以上もの人々ボランティアとして活動を支えた。「この人たちの存在はとても重要です。彼らがいなければ、私たちは少しのことしかできないでしょう」とゴーリー神父は語る。
政府がサレジオ会の活動を妨害することはない。「私たちは政治的な活動をしないので」。しかし、財政支援もない。
しかしサレジオ会員たちは、シリアでの活動をやめることを考えたことはない。「管区長は国を出たいかと私たちに尋ねました。私たちの答えははっきりしています:私たちはシリアの人々を見捨てません。」