コンプリ神父の著書『人間としての哲学』
長年カトリック学校だけでなく日本全国の倫理教育においても活躍し、人間学、倫理学、聖書、カトリックの教えなど多くの本を出版してきたガエタノ・コンプリ神父(サレジオ会)の最新刊が、2019年9月、『人間としての哲学 その在り方・生き方を考える』と題してマガジンハウスから出版されました。コンプリ神父からのコメントは次のとおりです。
「「哲学」という言葉に驚かないでください。皆さんも哲学者です。この本は一般の方を対象に、共に人生を考えるための本です。人間としての在り方・生き方、道徳教育の基礎を説き、世界観・人生観を形成するために役立ちます。誰でも分かるようにやさしい言葉を使っています。内容は誕生からフィナーレまで。私たちはみな「人間として」正しく生きるべきです。キリスト信者も「神が創造なさった人間」ですから。私はカトリック神父ですが、ひとりの「人間として」この本を書きました。」
倫理・道徳教育に関心がある方は必読の書です。イラストも豊富で、高校生以上ならどなたにも読みやすく、カトリックの立場からの解説も脚注にあります。
全国の書店のほか、Amazonなど各種ネット書店などでも手に入ります。電子版(eBook)も出ています。ぜひお読みください。
『人間としての哲学 その在り方・生き方を考える』
ガエタノ・コンプリ著
A5判並製 184ページ 本体価格1,500円+税
マガジンハウス発行
★Amazon サイト
https://www.amazon.co.jp/dp/4838730705/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_U_uzqmEbD9DM045
★マガジンハウス サイト
https://magazineworld.jp/books/digital/?83873070AAA000000000
<目次>
導入 21世紀に生きる私たち
1 評価される日本の生き方
2 変わってきた世の中
3 人間のこころも変わった
4 自然への理解も変わった
5 人間を考えなおす必要がある
第一章 「人間」を発見する日本
1 日本と「人間としての在り方・生き方」
2 「人間としての在り方・生き方」の意味
3 日本国憲法と世界の人権宣言
第二章 人間としての在り方
1 人間の生物学的な在り方
2 思考力がある人間
3 自由意志がある人間
4 「人格」と「人権」がある人間
第三章 善と悪 「在り方」と「生き方」の関係
1 すべてには「理」がある
2 「現在の在り方」と「あるべき在り方」
3 「在り方として」の善悪
4 「存在上の要求」とそれを満たす「可能性」
5 「在り方の善悪」から「生き方の善悪」へ
6 「人間」の研究
第四章 個人としての人間
1 個人としての「在り方」
2 「理性」に従って生きる
3 「個人として」の生きる意味
第五章 他者とかかわる人間――人間関係
1 対人関係が成り立つ条件
2 人間関係のあるべき姿
3 愛に基づく人間関係
第六章 社会とかかわる人間
1 人間の社会性
2 社会の中の「きまり」
3 社会の中の「組織」-「適材適所」の原則
4 仕事の意味と目的
5 社会生活と民主主義
第七章 人間と家庭
1 家庭で行われる命の伝達
2 家庭で育成される命
3 愛と性に悩む人
4 社会における家庭の問題
第八章 人間と公共
1 地域社会と人間
2 国家と人間
3 国際社会と人間
4 「国際化」は必要
第九章 仕事と経済の人間としての役割
1 資源を提供する自然
2 経済活動・仕事・私有財産
3 グローバル化時代の経済活動
第十章 世界観・人生観の問題
1 「世界観・人生観」と人間
2 「世界観・人生観」の形成
3 「世界観・人生観」を考えるヒント
第十一章 世界観・人生観の類型
1 出発点の問題
2 否定的な「世界観・人生観」
3肯定的な「世界観・人生観」
第十二章 人間としての生き方:善意・悪意・改心
1「人間としての生き方」の範囲
2 人間としての生き方:「善意」
3 人間としての生き方:「悪意」
4 人間としての生き方:「改心」
第十二章 人間としての在り方・生き方のフィナーレ
1 生から死へ
2 葬儀とお墓
3 死後の世界
著者 ガエタノ・コンプリ(Gaetano Compri)
1930年、イタリアのヴェローナで生まれる。サレジオ大学哲学部修士課程を終了。1955年宣教師として来日。1958年 上智大学大学院神学部修士課程修了後、28歳でカトリック司祭になる。1971年から16年間サレジオ学院中学校・高等学校校長を務める。1987年にドン・ボスコ教育研究所所長。2000年に調布サレジオ神学院でチマッティ資料館館長に着任し、現在に至る。広く教育の分野で活躍、全国倫理教育研究会で多くの教師と共に学ぶ。人間学、倫理学、聖書、カトリックの教えについての著書多数。