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サレジオ会 日本管区 Salesians of Don Bosco

『Lumen Fidei 信仰の光』、信仰は絆の体験


 7月5日に出版された使徒的回勅『Lumen Fidei 信仰の光』について、サレジオ会青少年司牧顧問ファビオ・アッタール神父がサレジオ会の視点で語った。

この回勅は、読むだけでなく深めることが大切です。青少年の教育者である私たちサレジオ会員にとり、この回勅は、「信仰は絆の体験である」という鍵から出発します。
アブラハムやモーセ、ヨハネ、パウロといった聖書に登場する人物を示し、信仰の絆は愛と忠実の刻まれたものであると語ります。神は忠実な方です。この信仰において、主役は呼ばれる神だけではなく、その招きを受ける信仰者も主役の一人になります。信仰者は自由のうちに、知性によって豊かにされつつ耳を傾けながら、心を開いて神に心を触れられるに至るまで、目が開かれるようになります。その信仰は重荷となってしまうものではなく、一人ひとりの善益、またすべての人の共通善のための賜物となります。それは自由な解釈に任されるものではありえません。最終的には意味の地平を開き、個人主義に陥ることなく「我」の体験のうちに実り、一つの共同体、教会となる「私たち」に向かって前進します。
牧者、教育者として、サレジオ会員がこの回勅を研究する理由は多くあります。
第一に回勅は、神学的観点からだけでなく霊的な観点からも信仰の土台を振り返る機会を与えてくれます。信仰の心からの理解を新たにするため少しの時間をかけることは、余計な贅沢などではありません。私たちが自分の信仰を説明できることは、若者に大きな益をもたらします。
次に回勅は、教育論的にテーマに取り組みます。知性と、神なるものへの憧れとの対話というスタイルを取っています。回勅は、今日のグローバル化した文化に見られる問いに対峙することを恐れない、信仰を知る方法論を提供しています。人間の善の探求のダイナミズムに非常に関連する内容です。そのダイナミズムは、私たちがサレジオ会として、あらゆる大陸、人種、宗教の若者の心に植え付け、培おうとしているものです。彼らが喜んで受け入れる喜びや幸福と同じほどに、愛への渇き、忠実さの願いが若者の心にあることを私たちは知っています。
最後に、第三の理由は、回勅が信仰を深めたいと願う人々のための教育的提案として、非常に興味深い、豊かな道のりを示していることです。信仰を深めるための場、道を探し求めている、サレジオの使命を私たちと共にする実に多くの若いアニメーター、教育者、教師、父母、ほかの多くの人々を思い起こすことができます。
特に私たち教師、教育者に勇気を与えてくれるこの言葉をあげたいと思います。「キリスト者は、貧しさのうちに、種を植えます。それは実に豊かな種で、その実で世界を満たすほどの大きな木になります。」


(ANS – ローマ 2013年7月9日)

http://www.infoans.org/1.asp?sez=1&sotsez=13&doc=9419&lingua=2