SYMの集いSP チャーベス名誉総長を招いて開催
SYM(サレジオ青年運動)の集いスペシャルが、2017年10月22日、東京・調布のサレジオ神学院にて開かれ、約60名が参加しました。サレジオ会名誉総長のパスクァール・チャーベス神父と共に時を過ごし、チャーベス師は日本のサレジオ家族の若者たちに熱いメッセージを送りました。
「世界や社会の重大な課題に無関心でいてはいけません。流れに逆らう勇気をもって行動しましょう。より新しく、よりよい世界はあなた方にかかっています。自らを捧げ、人々を愛し抜いたイエスにならい、ドン・ボスコのように自分の夢に忠実に、人生の意味を探しながら歩んでいきましょう」
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サレジオ会名誉総長パスクアール・チャーベス神父
日本の若者へのメッセージ(要旨)
(2017年10月21日 SYM Japan 集いスペシャル@調布サレジオ神学院)
<若者たちとのQ&Aタイム、分かち合いより>
・好きなメキシコ料理は「サシミ」(笑)日本食も大好き。
・スポーツも大好き。特にバスケットボールや野球、アメリカン・フットボール、ラグビーなど。
・サレジオ会総長として、当時の教皇ヨハネ・パウロ2世から言われたことは、創立者ドン・ボスコのカリスマに忠実であってくださいということ。
・司祭になることを目指したのは、11歳のときに亡くなった母親から、亡くなる直前に言われた言葉(「神様から子どもが司祭になるように呼ばれた」)がきっかけ。サレジオ会に入り、司祭になるまで、家族にもこの言葉は明かさなかった。生まれ変わったとしても、またサレジオ会司祭として若者たちのために働きたいと思う。
・ドン・ボスコの時代の若者たちの貧しさは、主として物質的な貧しさだった。現代の若者たちは、自殺を試みる者が多いなど、家庭や周辺の環境に愛を感じられないという貧しさ、また、宗教的なものに対する距離感、霊的な貧しさは深刻な問題。
・現代社会の重大な課題として、経済的不平等、平和の維持、気候変動、移民問題、人種主義(レイシズム)の5つを挙げることができる。わずか25名のお金持ちが地球上の半分の富を独占している。これは前代未聞。また、日本の身近の例を挙げるまでもなく、核兵器によって地球の存在が脅かされている。気候変動も島の消失の危機や新たな流行病の蔓延など深刻な問題をもたらしている。特にヨーロッパでは移民に対する無関心が強まる(もとはヨーロッパ人も移民であるにもかかわらず)。そして、アメリカやミャンマーの例など、偏狭なレイシズムが台頭しつつある。
・世界や社会が直面している様々な課題に無関心であってはならない。教皇フランシスコは勇気をもってこれらの問題に発言を続け、行動している。世界の流れに逆らい、行動する勇気をもってほしい。
・Think Globally, Act Locally. 大きな変化はすぐに起こせないかもしれないが、まず自分自身が変わっていくことが大切。たった一人の働き・行いが、周りを動かし、大きな影響を与え、よりよい方向に変えてきた例が世界にはある。
・若者の皆さん、あなたたちは今何でもできる時期だ。それだけに、何をしたいのか、何のためにそれをするのか、何を成し遂げたいのかを明確に意識して取り組んでほしい。より新しくよりよい世界が作れるかどうかは、あなた方自身にかかっている。
・サレジオに関係する若者として、どうかサレジオ会の働きを助けてほしい。
<聖体賛美式での説教より>
・「地の塩、世の光であれ」。「~になる」ではなく、「~である」という点が重要。一人ひとりに神から与えられた召命、使命がある。
・塩は形は変わるかもしれないが、その味はきちんと最後まで残る。私たちも世の中に対して、形は変えられても、伝えるべき大切なことをきちんとのべ伝える存在でありたい。
・地の塩、世の光とはどのような存在か。人生はとても深いもの。動物や植物が生きるのと、人間が生きるのとは根本的に違う。単に形だけのものではなく、人間の人生では、「愛する」ことができる。どんなに技術が発展し、AIが進歩しても、この本質的な部分は置き換えることができない。
・「生きる」ことと同様、人間が「死ぬ」ことにも深い意味がある。イエスは周りの人々を愛し、自らを捧げ尽くしたことにより、十字架の死を経て永遠に生きるものとなった。イエスのように死ぬこと、つまり奉仕の精神で自らを与え、人々を愛し抜くことはとても尊いことであり、私たちもそこに招かれている。
・ドン・ボスコにとって、9歳の時に見た夢は、その後の人生に決定的な影響を与えた。皆さんは夢があるか、持っているとしたら、その夢に忠実に生きているか。夢を大切に歩んでほしい。