（BoscoLink – 2019年8月30日　ミャンマー・アニサカン）抄訳
https://www.bosco.link/webzine/50516

By Fr. パスカル・キャウPascal Kyaw, SDB

　2019年8月27日から3日間、ミャンマーのアニサカンで「第2回EAO（東アジア・オセアニア地域）サレジオ翻訳者研修会」が開催された（第1回は2014年のベトナム・クロンで開催）。3日間にわたって集中的な分かち合い、討議、小グループでのワークショップ、兄弟的な交わりの時をすごした。

　今回の研修会で目に見える2つの実りは、「サレジオ翻訳者の手引き」（20ページ、EAO翻訳者、各管区長のため）と、「サレジオ語彙集」（オンラインで450の用語の訳と定義を書き込むもの）。語彙集の内容を充実させるのは、翻訳者たちの宿題となる。

　研修会の主な作業として、参加者は4つのグループに分かれ、「手引き」の4つの章について検討、話し合い、全体会に結果を持ち帰りながら、最終日までに内容を仕上げた。「手引き」は2019年9月30日、翻訳者の保護者、聖ヒエロニモの祝日に発行する予定。

　翻訳の仕事は隠れていて、沈黙のうちに行われ、ふだんあまり感謝されないが、サレジオ会の文書、源泉となるドン・ボスコの資料、サレジオのニュースがたゆみなく翻訳されることがなければ、サレジオ会全体は一つの世界的共同体として息づくことができなくなるだろう。

　研修会の終わりに、各参加者は個人・管区・地域レベルで今後実行に移したいことを各レベルにつき2つずつ上げ、全体会での分かち合いで地域レベルの目標が2つにまとめられた。

　管区レベルで特にあがっていた目標は：管区として、翻訳者の養成と同伴の長期的計画をもって、翻訳の奉仕職をより真剣に受けとめるよう、管区長を助ける；管区レベルのサレジオ翻訳者のチームを活性化、あるいは立ち上げる。地域レベルでは、翻訳者同士で築いた絆を保ち、翻訳の仕事について分かち合いたいという共通の願いがあった。

　最終日の締めくくりとして、参加者は一人ひとり、総長からの感謝状を受け取った。

　研修会の開催のために働いた一人ひとり、専門家として参加したインド、コルカタ管区「サレジオ翻訳センター」のジョージ・タダティル神父、また参加者として、あるいはオンラインでサポートしながら豊かな経験をもって貢献してくれた先輩翻訳者の皆さんに感謝したい。

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研修会に参加して

By 佐倉　泉（サレジオ会日本管区翻訳担当）

　アジアのさまざまな国から知っている顔、初めて出会う人、サレジオ会員、サレジアン・シスターズ、コオペラトーリやVDB会員、信徒ミッションパートナーが、ミャンマー第2の都市マンダレーから車で1時間ほどの山間にある町、アニサカンのサレジオ会本部に集いました。
　多様でありながらサレジオの使命によって結ばれているので、話は早い、お互いすぐに打ち解けます。いつもながらバイタリティーあふれる地域顧問クレメンテ神父様のリードで研修会は進み、「サレジオ翻訳者手引き」がまとめられ、オンラインでサレジオ用語の訳と定義を入力できる「Salesian Glossaryサレジオ語彙集」の使い方を練習しました。

　しっかりとしたチームがあり、充実した翻訳が行われているベトナム；サレジオの資料だけでなく、信徒も参加しながらその国の若い教会のため聖書やカテキズムの本なども訳しているカンボジア、モンゴルなど、国によって状況はさまざまです。

　ドン・ボスコが当時のイタリアの社会、教会の状況を洞察し、時のしるしをとらえ、ふつうの人々が信仰をよく理解し生きることができりよう助けるため「良書の普及」を目指したその働きが、今日のアジアで息づいているのを目の当たりにするようでした。

　苦難の歴史を歩み続けているミャンマーや中国、ベトナムの教会；国としてまだ若く、社会が造り上げられつつあるカンボジアや東ティモール、モンゴル；韓国、フィリピン、タイ、インドネシアからの参加者の話を聞き分かち合えたこと、一人ひとりと知り合えたことは貴重な経験でした。政治的には緊張状態、抑圧、被抑圧の状況が多々あるこの地域。兄弟が共にいるのは、何と美しいことか！

　温かく私たちを迎えてくださったミャンマー管区のソー・チャールズ管区長はじめサレジオ会員、サレジアン・シスター、研修会をサポートしてくださったスタッフ（カンボジアのドン・ボスコ卒業生でミッション・パートナーのオウさん、フィリピン南管区からボランティアの英語教師としてミャンマーに派遣されているSALVOのメンバーアグネスさんとリアンさん）、お一人おひとりに心から感謝します。