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サレジオ会 日本管区 Salesians of Don Bosco

副総長メッセージ10月:私たちの年ごとの贈りもの


副総長メッセージ(Bollettino Salesiano 2024年10月)

私たちの年ごとの贈りもの


伝統的に私たちサレジオ家族は、毎年ストレンナを受け取ります。年のはじめの贈りものです。この数行の中で、喜んでこの贈りものに目を向け、ふさわしく価値あるものとして受け入れたいと思います。その新鮮さをいささかなりとも失わずに。

贈りものである理由は、何よりもまずストレンナの意味が「あなたにプレゼントをします」だからです。新しい時、新しい年を祝うために、あなたに大事なものを贈ります、と。ドン・ボスコはこのように考えて、自分のそばにいた若者、大人たち皆にストレンナを届けました。

この贈りもの、ストレンナを、新しい年、新しい時の始まりに皆さんに差し上げたいと思います。

これは美しく大切なものです。新しい年、新しい時はこれまでとは全く別のものが入っている箱です。やって来る年は、今まで私たちが生きてきたものとは同じではありません。新しい年は、その時を余すところなく生きるために、新しい見方を必要としています。新しい年は一度しか来ないからです! すべての時は唯一無二です。私たちは前の年の自分たちとはもう違うからです。

ストレンナの目的は私たちが新しい年に向けて準備するのを助けることです。この新しい年に目を向け始め、大切になってくることに光を当てるのです。

金の糸

時の贈りもの、いのちの贈りもの

神の贈りもの、そこに含まれるすべての贈りものは人生の中に見出されます。人々、状況、機会、人間関係。時といのちという贈りものを摂理的に眺める見方の中で、ドン・ボスコが、そして後継者たちが彼に続いて毎年、全サレジオ家族に贈り続けてきたストレンナという贈りものは、新しい年、新しい時へのまなざし、新しい目で見るまなざしです。

ストレンナは新しい年を導く金の糸に焦点を当てながら、やってくる時を見るのを助けてくれます。ストレンナが私たちにくれる金の糸は「希望」です。これも大事なことです! 新しい年は、確実に多くのことで満ちた年になるでしょう。けれども、その中で自分を見失わないでください! 希望がどれだけ大事であるか、考え始めましょう……撒き散らすのではなく、集めるのです!

私たちのアンヘル枢機卿様が2025年のために、あたかも新たな衣服のように私たちのためにあつらえたストレンナは、私たち皆がこれから経験するであろう出来事に光を当て、金の糸でそれらの出来事を一つに束ねるのです、希望という糸で!

2025年のストレンナは私たちが関わる世界的な出来事、またサレジオ的な出来事に光を当て、私たちがそれをよりよく体験できるように助けてくれます。

・2025年の通常聖年:聖年はカトリックの伝統で、教皇様が私たちに与えてくださる教会の祝祭です。聖年を生きることは、私たちがキリストの現存を私たちの生活と世界のあり方の中心にお迎えするために、教会が提供する巡礼を生きることです。フランシスコ教皇様が宣言した聖年のテーマは、いのちを生み出すものです。希望は欺かない! 何と素晴らしい、いのちをもたらすテーマでしょう。この困難な時に、世界にとって必要なことが一つあるとすれば、それはまさしく希望です。けれども、私たちが自分たちだけで到達できると信じる希望ではありません。それは幻影となる危険を伴います。そうではなく、神の現存を再発見する希望です。フランシスコ教皇様は書いています。「希望が皆さんの心を満たしますように!」心を温めるだけでなく、あふれんばかりに満たしますように!

希望は私たちを巡礼者にします:聖年は巡礼です! 私たちを内側から突き動かします。そうでなければ、「聖年」ではありません。私たちを教会として感じさせてくれるこの一大イベントの只中で、サレジオ修道会として、サレジオ家族として、私たちは大事な記念を祝います。2025年は、

アルゼンチンに最初の宣教師が派遣されてから150年となる記念の年です。

ヴァルドッコから、ドン・ボスコの心はすべての境界を越えてゆきます。自分の息子たちを地球の反対側に送ります! 人間的な保障のない未知の世界に彼らを送り出します。始めたばかりの事業を進めるために必要な人員が足りなくとも。

ドン・ボスコは、ただ彼らを送り出します! 希望に従わなくてはなりません。希望は信仰を導き、愛を動かすからです。ドン・ボスコは最初の兄弟会員たちを送り出し、彼らは旅立ち、自分たちも全く知らない所へと向かいます! 私たちは皆、そこから生まれました。私たちを旅路につかせ、巡礼者とする希望から、私たちは生れました。

 すべての記念の年にそうするように、この記念の年を祝わなくてはなりません。そうすることで、私たちは贈りもの(私たちの所有物ではなく、贈りものとして与えられたもの)を認め、宣教のダイナミックなエネルギーから未来に向う力を与えられます。

希望は宣教の基礎です。希望は、隠すことのできない、また自分のためだけに取っておくことのできない責任なのです! 贈られたものを隠さないでください。贈り主を認識し、贈られたものを、一生をかけて未来の世代に渡していきましょう! これが教会の生きる道、私たち一人ひとりの生きる道です。

聖ペトロは先を見据えて、最初の手紙に書きました。「あなたがたの抱いている希望について説明を要求する人には、いつでも弁明できるように備えていなさい」(Iペトロ3:15)。弁明は、言葉を使うだけではなく、生き方によってであると考えるべきです。

ドン・ボスコの夢と神の夢を新たにするために、私たちの内にある希望によって、来たる年を、若者、兄弟姉妹と共に歩む旅を、生き、それに備えましょう。

 

私たちの紋章

「私の旗には星が輝く」とかつてよく歌われていました。私たち修道会の紋章には、星に加えて、大きな錨(いかり)と燃える心が見られます。

やって来る時に向けて、私たちの心を動かし始める分かりやすいイメージです。「希望に錨をおろし、若者と共に歩む巡礼者」。「錨をおろした」は力強い言葉です。錨は、嵐の只中にある船の救いとなります。ゆるぎなく、強く、希望に根ざすのです!

このいのちを与えるテーマの中に、私たちの日々の生活のすべてがあります。人々、状況、選択……。私たち皆が共に生きる「マクロ」と結び合わさっている私たち一人ひとりの「ミクロ」……この時に私たちに与えられた贈りものを神にささげながら。私たち皆が受け取るストレンナに、一人ひとりが自分の持ち分を加えなければなりません。私たちの日々の生活は、書き送られ、受け取られた言葉で照らされなくてはなりません。そうでなければ、それは希望とは言えないでしょう。私たちの生き方の礎となり、私たちを巡礼者とし、動き出させるものとは言えないでしょう。

この旅を主の御母、教会の母、キリスト信者の扶け手に委ねましょう。私たちと共に歩んでくださる希望の巡礼者に。

 

副総長ステファノ・マルトリオ神父

《翻訳:サレジアニ・コオペラトーリ 佐藤栄利子》

 

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