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サレジオ会 日本管区 Salesians of Don Bosco

総長メッセージ10月:枢機卿拝命


総長メッセージ(Bollettino Salesiano 2023年10月)

枢機卿拝命

異なる方法であっても、他者に仕えることを続けていきたいのです。

 

 

私たちの聖なる創立者の1884年の言葉を分ち合いたいと思います。「私たちの会のためにどれだけ輝かしい未来が準備されているか、どれだけの広がりを見せ、よいことを成し遂げられるか、私にはますますよくわかります」。

 

親愛なるサレジオのカリスマの友である皆さん、一人ひとりに私の心からの、兄弟愛の親しさをこめた挨拶を送ります。

私は『ボレッティーノ・サレジアーノ』誌から、今回のメッセージを今までしてきたように自分が経験した意味深い事柄についてではなく、私自身について、私を待ち受けている新たな現実について語るものにするよう提案されました。私たちの父ドン・ボスコに関して学んだことを私は体験しました。ドン・ボスコにとって自分自身のことを話すのは難しいことで、感じていることを表現するのはさらに難しいことでした。私の場合、最近自分に起ったことについて話したり書いたりすることはいささか難しいと認めなくてはなりません。しかし、遅かれ早かれ、それをしなくてはならないとわかっています。ドン・ボスコのカリスマの数多くの友人の手と心に届く『ボレッティーノ・サレジアーノ』のメッセージは、この個人的なメッセージを送るためのよい手段です。

教皇フランシスコが、9月30日に開催される次の枢機卿会議で教会の枢機卿として叙任するために選んだ21人の中に私の名前も発表された、あの思いがけないニュース(ことに私にとって)の後、数えきれないほどの人々、とりわけ世界中のドン・ボスコのサレジオ会員とサレジオ家族のメンバーたちのうちに次の問いが生まれました。「これから何が起きるのだろうか。この先、誰がサレジオ会の歩みに寄り添うのだろうか。どのような段階を私たちはたどるのだろうか」。サレジオ修道会とドン・ボスコの家族としての私たちに教皇フランシスコが贈ってくださったこのプレゼントに、信仰をもって主に感謝する一方、私も自分に対して同様な問いかけをしていたことを皆さんはわかってくださるでしょう。

信仰をもって読み、神がなさった大いなる業を知り、神の言葉を通して知っていることをふまえ、私たちが言えるのは、神は私たちを驚かせるのを好まれるということです。聖書の中で、神はいつもおっしゃいます。「行きなさい。道は示される」と。ドン・ボスコが私たちに教えた大事なことの一つは「何事にも心を騒がされるな。神のみ摂理に信頼しなさい」ということでした。

私たちの聖なる創立者の1884年の言葉を分ち合いたいと思います。「私たちの会のためにどれだけ輝かしい未来が準備されているか、どれだけの広がりを見せ、よいことを成し遂げられるか、私にはますますよくわかります」。

お告げの祈り(教皇は毎週日曜日の正午、サン・ピエトロ広場に集まった巡礼者と共にお告げの祈りを唱え、短い講話・説教を行う)での発表の後、私は教皇フランシスコと個人的に話すことができました。どのような務めをいただいてもお役に立ちたいと伝えました。ローマの聖心大聖堂を建設するよう要請された時のドン・ボスコのように答えました。そのとき、年老いて病を得ていたドン・ボスコは、生れたばかりの修道会の重みと責任を感じていましたが、こう答えたのです。「これが教皇様のご命令なら、私は従います!」

私たちサレジオ会員は教会の善のため、ことに教皇様のお望みなら何であれ、いつもお役に立つようにとドン・ボスコから学んだと、簡潔に教皇様にお話ししました。サレジオ会とサレジオ家族全体のためであるこの贈り物を神様に感謝しつつ、私たちの大いなる家族のすべてのメンバーはより一層、信心をこめた熱心な祈りを教皇様のために捧げるでしょうと述べ、感謝の気持ちを表しました。先に述べたように、その祈りは常に、私たちの誠実で深い愛情の伴うものであるでしょう。

 

これから何が起きるでしょうか。

私の総長としての務めがある日突然変わることがないよう計らってくださった、教皇フランシスコのお心遣いに私が深い感動を受けたことを皆さんに伝えずにはいられません。このことに関して、7月9日日曜日のお告げの祈りの際に枢機卿任命が発表されてからおよそ30分後、教皇様は私に手紙をくださいました。そこには、私に任される仕事に取りかかる前に、私たちの修道会の総会を準備するために必要な時間のことが書いてありました。いつものように教皇様は、誠意ある心遣いと、ドン・ボスコのカリスマを深く愛し高く評価しておられることを、特別な親愛のうちに示してくださいました。その教皇様の思いに、私自身から、また全サレジオ家族に代わり、感謝を申し上げました。

教皇様が私に伝えてくださった規定について皆さんと分ち合いたいと思います。

私たちの修道会のために、2023年9月30日の枢機卿会議の後も、私は2024年7月31日まで総長としての務めを続けられることを教皇様はお決めになりました。その日以降、私たちの会憲と会則に従い、私は総長を辞任します。そして教皇様が私に与える任務を引き受けます。

これは教皇様自身が私におっしゃったことです。私たちは1年前倒しして、すなわち2025年2月に第29回総会を開催できます。副総長ステファノ・マルトリオ神父が第29回総会の開催まで、私たちの会憲が定めるとおり、臨時に会の統治を行います。最後に、多くの皆さんが抱いているであろう質問にお答えしなくてはなりません。教皇様はどのような任務を私にお与えになるでしょうか。教皇フランシスコはそれについてまだおっしゃっていません。そのうえ、最もふさわしいことは何かを考えるために十分な時間があると思います。

いずれにしても、親愛なる兄弟会員の皆さん、私たちサレジオ家族のメンバーの皆さんに、心のこもったお祈りを続けるようお願いします。特に教皇フランシスコのために。教皇ご自身が、私の個人的謁見のおしまいに、特別にそうお頼みになったのです。

おしまいに、私のために祈ってくださるよう皆さんにお願いします。教会における新しい奉仕に向かう時、私はドン・ボスコの息子として、この奉仕を子の従順をもって受け入れます。それを自分で求めるのではありません。教会の中で私たちが行う奉仕は、自分の業績を築き上げようとするかのように望んだり、追い求めたりするものではなく、そうあってはならないと私は心から信じているからです。「この世」に属しているものは、イエスのみ名において仕える者である私たちには、ふさわしくありません。私たちは(私は強く望むのですが)この世の基準とは異なる者であるべきです。このすべてのことについて、私たちの愛する父ドン・ボスコは、主イエスのみ前で証人となってくださるでしょう。

ここ数週間、世界中から私に届いた、数多くのメッセージに込められた皆さんの愛と親しさに感謝します。

来年、200周年を祝う「9歳の夢」で、聖母がドン・ボスコに告げた同じ言葉が、私にも向けられているように思います。「その時が来れば、すべてがわかります」。私たちの父にとっては、生涯の晩年、1887年5月16日に、イエスの聖心大聖堂の扶助者聖母の祭壇でその言葉が実現したことを私たちは知っています。大聖堂はその2日前に献堂されたのでした。扶助者聖マリア大聖堂から、私は皆さんに心をこめて感謝の挨拶を送ります。私たちに寄り添い、支え続けてくださる私たちの母に皆さん一人ひとりを委ねながら。いつものように深い愛をもってメッセージを締めくくります。

総長アンヘル・フェルナンデス・アルティメ神父

《翻訳:サレジアニ・コオペラトーリ 佐藤栄利子》

 

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