総長メッセージ トマス・ウズンナリル神父解放の知らせ
2017年9月13日 ローマ
世界のサレジオ会員、
世界のサレジオ家族の皆様
愛する兄弟姉妹の皆さん、
私たち皆にとって特別なこの日に、皆さんに親しいあいさつをおくります。
数時間前、昨日の午後、私たちの兄弟トマス・ウズンナリル神父がローマに到着しました。私自身ある管区を訪問後、30分ほど前にこちらに到着し、今、より正確な情報をもらい、私たちが現在得ているすべての情報をお伝えするため、皆さんにこの手紙を書いています。
私たちの兄弟トマスが解放され、今、私たちと共にいることは、実にすばらしい知らせです。
トマス神父は昨夜6時に、バチカン市国でさまざまな奉仕を提供するサレジオ会共同体に到着しました。オマーンのムスカト空港を発ち、ローマのチャンピーノ空港に降り立ったトマス神父は、私たちの修道院の一つに迎えられました。
トマス神父を数日間、共同体に迎えてほしいと、その修道院の会員に私はお願いしました。最初の健康診断のため、そして必要な休息のためであり、全サレジオ会員、全サレジオ家族に代わりトマス神父を迎えるということです。その後、医師によって適切と確認されれば、もちろんトマス神父はインドに帰ることができます。
トム神父の解放について、私たち自身も知らない側面が多くあります。しかしながら、トム神父が解放され送り届けられたことは、オマーン・スルタン国政府とつながりのある人道支援団体を通して、オマーン政府と連絡を取りながら行われたことは確かなようです。
修道会として、誘拐犯たちとの連絡ルートを確立していることを数か月前から伝えられていましたが、現在の喜ばしい時に至るまで、それ以上の情報はありませんでした。実際、トム神父がすでにイタリアに到着した昨日になって、はじめて私たちは解放について知ったのです。
皆さん全員に、そして関心を持つほかの多くの方々にお伝えしなければならないと思います。サレジオ修道会は身代金を要求されたことはなく、身代金が支払われたと聞いてもいません。
このことを確かなこととして知る私たちは、当然、オマーンのスルタン陛下への、スルタン政府関係各位、また関わった人道支援団体、この事件のために、さまざまな形で折々に表れた実に寛大な献身をもってかかわってくださったすべての方々に、深い感謝を表したいと思います。
この長い月日に及んだ拉致の間、バンガローレのサレジオ会管区長、そして同じように修道会全体が、私たちの兄弟トムの事件を、大きな愛とたゆみない心配をもってフォローしてきたことを、証言したいと思います。
このあいさつの言葉をもって、その方々皆に、さまざまな国の諸部門とそのスタッフの皆さんに、トム神父自身の、そして私たち皆の感謝をお伝えします。私たちの兄弟の解放のために行ってくださったすべてのことを心にとめながら。
サレジオ会の兄弟、姉妹の皆さん、サレジオ家族の皆さん、今申し上げたことの後で、この喜ばしい出来事の人間的な状況をご説明した後で、私が心に感じる、そして皆さん全員もきっと心に感じている主への深い感謝を表したいと思います。主は、この何か月もの間、孤独の深みにおいて、そしてもしかすると恐れの深みにおいても、トム神父と共にいてくださいました。み摂理のうちに、今生きているこの喜びの時を私たちに与えてくださった神に感謝。
また、私たちの兄弟トムの18か月に及ぶゲツセマネの間、実に長く祈ってくださった何千何万もの方々にも感謝します。主はまことにこの大いなる恵みをもって私たちを祝福してくださいました。したがって、私たちは将来にかけて、さらなる忠実と真正さをもって、神の呼びかけと私たちにゆだねられたカリスマ、トム神父がいのちをかけたカリスマに応え続けるでしょう:イエスとイエスの福音を告げること、世界中の少年少女、若者、中でも特に最も貧しく、最も見捨てられた子ども、若者を優先的に愛するというカリスマに。
愛する兄弟姉妹の皆さん、トム神父が私たちのもとに帰って来た、この贈りものを引き続き主に感謝しましょう。トム神父と共にいて支えてくださるよう、ドン・ボスコの生涯においていつもそうしてくださったように、私たち一人ひとりの人生においても引き続きそうしてくださるよう、キリスト者の扶け聖マリアに祈りましょう。
心からの親しみをこめて、皆さんにあいさつをおくります。
総長 アンヘル・フェルナンデスA神父, SDB