総長「親愛なる若者たち、私たちはあなたたちを信じます」
総長メッセージ(2016年10月)
親愛なる若者たち、私たちはあなたたちを信じます
アンヘル・フェルナンデス・アルティメ神父
私の心は今でも若者たちの親しさ、彼らの喜びのおかげで、嬉しさに満ちあふれています。状況が好ましかろうとそうでなかろうとも、口元に微笑みを浮べ、その場に適応してゆく彼らの力は驚くべきものです。
私はあらためて確信しています。私たちの若者たち、世界中の若者たち、彼らは本当に 賢明で情熱的で私たちに多くのことを提供してくれ、また私たちに多くのことを教えてもくれるのだと。
「ボレッティアーノ・サレジアーノ」の読者である親愛なる皆さん、クラクフでのワールドユースデー(WYD)に参加した私はこのメッセージで、若者たちについて熱心に語らずにはいられません。
それは世界の数多くの国からやって来た若者たちの集いで、教皇様を取り巻く親しみやすさと魅力のオーラだけでも世界中に反響を起こしていました。しかしながらその特別な共鳴はWYDのさまざまなプログラム(カテケージスとイベント)を通して参加した60万人もの若者たちから生じたものでした。さらに、日曜日のミサには200万人が与りました。
私にとって、また大勢の教育者、若者の友にとって最もかけがえのない日は、WYD前日に行われた52か国のサレジオの家から来た6000人の若者の集いでした。さらに多くの若者たちが参加するはずでしたが、旅行に必要な許可やビザを得られませんでした。美しい夢の実現を阻むその他の困難にぶつかった若者たちもいました。
世界中から来たSYMの若者たちとの出会いは、一人ひとりのサレジオの心にとって愛情と内なる満足でいっぱいの贈りものでした。私たちは対話し、振り返り、ミサをささげ、一つの家族として食事を分かち合うことができました。少しばかり大人数ではありますが、真の家族です。そしてドン・ボスコがヴァルドッコで、マードレ・マザレロがモルネーゼでしたやり方で「オラトリオ」の夕べを過ごしたのでした。
一日のしめくくりに私たちは共通の祈りを唱え、素晴らしいサレジオの「ボナノッテ」をしました。
それから後に続く日々は、若者らしいにぎやかさと生命力が花咲く春のようでした。クラクフ市内の厳重な警戒網の中をさまざまな方向にあらゆる肌の色、人種、国籍の若者たちが川の流れのように移動していました。話す言葉は違いながらも、なぜか奇跡的にわかり合えるのでした。そのすべては、唯一特別な動機によってもたらされたのです:信仰という動機です。
私が思うに、若者たちの大多数は信仰という重要で力強く大いなる動機に衝き動かされていました。彼らは信仰を生きること、他の世界中の若者たちと共に、若きキリスト者であることを表明したいと願っていました。大勢の教育者、修道者、司祭、司教が彼らに同伴し、その数は850人にも上りました。この招きに一致と意味を与えたのは、教皇の姿、メッセージそして教皇と分ち合う祈り、共に祝う信仰でした。
私が強調したいことがらの中で最も意義深く、あの数日間を記憶の中に刻みつける一つの確信があります。私たちはつねに若者たちを信頼し続けなくてはならない、という確信です。
私は祈りの時間の沈黙と若者たちの大群衆の真剣な祈りの姿勢に強く心を打たれました。
驚くべきことに期間中焼けつくような太陽の下でも、また土砂降りの雨の中でも一度として不平不満を耳にしたり、不適切な振舞いを目にしたりすることはありませんでした。これは多様性における兄弟愛と共生のあかしでした。普遍的平和を教育する生きた教えだったのです。
私の心は今でも若者たちの親しさ、彼らの喜びのおかげで嬉しさに満ちあふれています。状況が好ましかろうとそうでなかろうとも、口元に微笑みを浮べ、その場に適応してゆく彼らの力は驚くべきものです。
私はあらためて確信しています。私たちの若者たち、世界中の若者たち、彼らは本当に賢明で情熱的で私たちに多くのことを提供してくれ、また私たちに多くのことを教えてもくれるのだと。
これこそ、ドン・ボスコが若者たちに対して抱いた美しい信頼が、私の心の中で生き たこだまとなって響いていることの理由です。彼はヴァルドッコの若者たちと共にそれを経験しましたが、現代のどこの大陸の若者たちにも心底魅了されることでしょう。かつてないほど強く、私はドン・ボスコの固い信念を自分の内に感じています。どの少年少女にも善良さの貴重な種があるのだということを。若者たちは皆、私たちの献身と全面的な自己贈与に値します。そして私はサレジオの世界の若者たちに会うたびに揺るがぬ気持ちをもってこう言います。「夢をあきらめてはいけない!」と。彼らが自分たち自身の人生の主役となり夢を実現させることができますように。私たちが彼らに対して信頼するように、彼らが自分自身と神に信頼することができますように。そしてまたドン・ボスコが言っていたように、私たちが彼らを愛していること、この世でも永遠のいのちにおいても彼らが幸せであるようにと私たちが願っていることを若者たちが感じ取れますように。
親愛なる若い皆さん、世界中のサレジオ家族と傷つき血を流しているこの世界の大人たちの名において、私は皆さんが存在していることに感謝します。私たちは皆さんに信頼し、皆さんを信じます。私たちには皆さんが必要です。世界は皆さんを必要としています。人間の活動によって形成される美しい世界を夢見た神が皆さんを必要とするのです。
愛をこめて
あなたたちのドン・アンヘル