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サレジオ会 日本管区 Salesians of Don Bosco

多文化多宗教の中で活きるドン・ボスコの教育


 

 

(BoscoLink – 2020年1月8日 ローマ総本部)
https://www.bosco.link/webzine/54469

By EAO顧問

 ストレンナ2020のテーマは「Good Christians and Upright Citizens」、公式日本語版は「誠実な社会人、キリストに倣(なら)う者」。総長による解説はイタリア語、英語に訳され、現在、各国語に翻訳中、15分のビデオも各国語で見ることができる(日本語版も1月中に出る予定)。EAO東アジア・オセアニア地域でもストレンナの分かち合いが始まっている。日本は独自のポスターを制作中、EAO地域13か国語への解説とビデオの翻訳も進められている。

 EAOのサレジオ家族にとり、今年のストレンナの興味深い点は、総長が多文化、多宗教の環境に目を向けていること。冒頭の2ページはさまざまな問題を提示し、ドン・ボスコの教育法への私たちの取り組みをさらに促すものとなるだろう。

 ドン・ボスコ10代目後継者の言葉に耳を傾けよう:

 「キリスト教でない人(他の宗教、不可知論の人々、宗教に無関心な人々)が大多数の環境に置かれた管区で、このストレンナはよく受けとめられるでしょう。『キリスト教でない』あるいは『キリスト教が過去のものとなった』場での教育活動のため、振り返りの機会やアイディアを提供できるものとなるでしょう。ドン・ボスコのこの教育的表現を、キリスト教徒でない協働者や若者が受け取り、理解し、歩み、実践できるようにするには、それをどのように紹介することができるでしょうか。

 ドン・ボスコの時代、キリスト者が大多数を構成する社会では、社会的に貢献する人になるということは、真正な宗教的精神のしるしでした。

 他方、今日、このカリスマが広がった世界134か国で、私たちは、開かれた姿勢、人々を教育的歩みに招き入れる姿勢を持ちながら、バランスを保つ必要を感じています。キリスト教徒でない若者と協働者「のために、そして彼らと共に」ある教育的歩みです。それは、予防教育法を用いることによってイエス・キリストの福音を伝える第一次福音宣教に始まるものです。予防教育法は人間的絆、家庭的雰囲気を生み出します。その雰囲気の中で教育が行われ、少しずつ浸透することによって信仰が伝えられます。

 40のサレジオ会管区の置かれている多文化、多宗教の環境を考慮する必要があります。それらの管区は、特にアジア、アフリカで、世界の偉大な諸宗教に囲まれた少数派の教会の中で生きています。

 ドン・ボスコが19世紀に行ったことを繰り返すだけでは十分ではありません。今日、キリスト教徒でない人々が大多数の国々で予防教育法を生きるサレジオ会員の体験から、私たちは学ばなければなりません。その会員たちは確かに、我らの父ドン・ボスコが想像もしなかったような多宗教、多文化の環境の中で、その思想を理解し活かすことを学んだ豊かな生活体験を持っているのです。

 

誠実な社会人、キリストに倣う者-キリスト教でない人々、あるいはキリスト教が過去のものとなった人々が多数を占める環境で

 私たちはいくつかの問いを自らに投げかけることができるでしょう:

・キリスト教徒でない子ども・若者や協働者・ミッション・パートナーと共にある私は、ドン・ボスコの表現・やり方をどのように実践しているだろうか。
・キリスト教徒でない人への開かれた姿勢と福音の第一次宣教とのバランスを、私はどのように取っているだろうか。
・「良いキリスト者-キリストに倣う者」という考えを、キリスト者でない大多数の協働者にどのように伝えているだろうか。
・私たちが暮らす多宗教の環境で、柱の一つ「信仰」をどのように実践しているだろうか。
・ドン・ボスコの予防教育法の精神-道理・信仰・慈愛-をもって教育することを、どのように実践しているだろうか。
・キリスト教徒でない多くの人と分かち合う使命の中で、ドン・ボスコの「良いキリスト者-キリストに倣う者」を、日々の生活でどのように理解し活かしているだろうか。
・他の宗教を信じる協働者と共に働く場合も、ドン・ボスコの予防教育法をあますところなく生き実践することは可能であると、総長は信じているのだろうか。
・キリスト者でない人々に、教育司牧共同体(EPC)にどのように参加してもらっているだろうか。
・サレジオの教育的使命に参加するキリスト者でない人々自身、どのような意見・思いを語っているだろうか。
・ドン・ボスコの予防教育法の実践の最も魅力的な要素・表現は何だろうか。

 私のストレンナ解説の中で、これらの問いに何らかの形で答える提案を皆さんは見いだすことと思います。これらの問いは私が受けたもので、明らかに当然のなくてはならない問いかけです。」

 今年の総長によるストレンナは、ドン・ボスコのカリスマの中心・心において信仰と生活が一致する、真実な、統合的なサレジオの教育的取り組みにおいて成長する、貴重な機会です。このすばらしい機会を逃さないように!