中東管区長の手紙 シリアの状況について
サレジオ会中東管区のムニール・エル=ライ管区長は7月から8月にかけ、シリアのサレジオ会の3つの支部、カフルーン、アレッポ、ダマスコを訪問した。3年に及ぶ内戦の荒廃、宗教的原理主義の恐怖、日常生活の困難と共に、状況に適応して困難を乗り越えようとする人々の姿を伝えるエル=ライ神父の手紙が、サレジオ会ニュースANSに掲載された。
近年つづいてきた中東の不安定な情勢は、今年になり、ガザに加え、シリアやイラクの内戦が激化、「第2次世界大戦後、最悪の人道危機」(国際カリタス会長、オスカル・マラディアガ枢機卿sdb)と言われるほど深刻な事態が続いている。フランシスコ教皇も中東の平和を祈り求めるよう、全世界の教会に呼びかけている。
中東は初代教会の時代から福音が伝えられ、伝統あるキリスト者共同体の根づいた福音のふるさと。安全を求めて国外に脱出するあらゆる宗教・民族の人々の中に多くのキリスト者がいる。イスラム原理主義者たちの憎しみの矛先は、まっさきに教会とキリスト教徒に向けられ、2千年の歴史をもつ教会は苦しみのただ中にある。
苦難にある中東の人々のため、イスラム原理主義の“嘘”に心を奪われ身を投じてしまう多くの若者たちの回心のため、今、祈りが必要とされている。
(ANS – イタリア・ローマ本部 2014年9月22日)
http://www.infoans.org/1.asp?sez=1&sotsez=13&doc=11360&lingua=2