ヨハネ・パウロ2世列福式の報告 (浦田神父より)
この列福式に向け、ローマ全体が少し前から準備されていいました。町には前教皇の写真が多く飾られ、雰囲気が盛り上げられていました。もちろん、この異例の速さで列福される事実に否定的・批判的なメディアや動きは少なからずあったようですが。当日、5月1日、式は10時からだったのですが、当然多くの人で溢れかえっていたため、参加する人はかなり早くから出発していたようです。共同体のある人は前晩の祈りの集い(チルコ・マッシモ)から参加し、そのままサン・ピエトロ広場まで向かったものの閉ざされていたために、via della conciliazioneで一晩中立っていた(そこも満員であったため)そうです。当然、朝4時から早起きして行った人たちも辿り着いた場所はサン・アンジェロ城が精一杯・・・ということだったようです。100万人程度の参加者がいたそうです。参加した兄弟の報告によると、遠くからでも非常に感動的な式だったということです。非常に多くの若者たちの姿がいたことも強調されていました。
私は、といえば、朝に修道院で担当のミサがあり、式には参加できませんでしたが、夜にヴァチカンに向かい、ヨハネ・パウロ二世の遺骸と聖遺物にお目にかかってきました。夜10時に着いたわけですが、長い行列があり(ボディ・チェックもありますから)、2時間ほど待ちながら入りました。サンピエトロ大聖堂の中央奥に安置されていたわけですが、多くの人がひざまずいて祈っておられました。私もそこで祈ることができ、特にサレジオ会日本管区のために祈らせていただきました。
最後に、自分が個人的に一番心を打たれたことを認めたいと思います。この日はヨハネ・パウロ2世の列福式だったわけですが、私はここで現教皇ベネディクト16世の姿・聖性をも再確認した気がしています。いまだに世間では、「前の教皇に比べてあまり~」というような特に根拠もないような印象からの感想をいろいろ言われることもある現教皇様なのですが、その中であえて前教皇の列福式を挙行され、皆が「JOHN PAUL II!!!!!」と叫んでいる中で心から喜んでいる姿を示された彼のシンプルさ・謙虚さ・私心のなさ・愛、に深く心を動かされました。また彼がヨハネ・パウロ2世と「23年間共にその下で働いて」深く彼の聖性を認めた、ということも特筆すべきことでしょう。これは前教皇の真の聖性を示す事実だと思います。表面的な聖性ならば共に働くときにわかるでしょうから。この2点は、私たちサレジオ会員にとっても大きな学びと反省を促すことなのではないでしょうか。前教皇の存在に感謝すると同時に、現教皇が今のカトリックを代表する人物であることを深く神様に感謝したいと改めて思わされた日でした。いつの日か彼の列福式にも参加することができる日が来るでしょうか。そう願いたいと思っています。(浦田 慎二郎神父)