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サレジオ会 日本管区 Salesians of Don Bosco

ベルギー 難民・移民の子どもたちを守るために


 

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(ANS – 2016年11月29日 ベルギー・ブリュッセル)
http://infoans.org/en/sezioni-eventi/item/2225-belgium-children-cannot-wait-7-priority-actions-to-protect-all-refugee-and-migrant-children

 「子どもの権利」について話し合うヨーロッパ・フォーラムの開催に合わせ、子どもの権利のために活動する78の団体が声明を出した。「ドン・ボスコ・インターナショナル」もその一つ。声明は、移住の状況にある子どもを守るため、7つの優先的行動を求めている。ドン・ボスコ・インターナショナルは移住者・難民の若者のために働くサレジオ会の活動を代表し、ブリュッセルで11月29、30日に開かれたフォーラムに参加した。

 

 移住者・難民の中で、子どもの数はかなりの割合を占める。2016年に海を越えてギリシャに到着した3人のうち少なくとも1人は子どもだった。同年、保護者に同伴されずにイタリアに到着した子どもの数は、2015年に比べ、2倍になった。しかし、子どもへの対応は変則的で不十分のままである。子どもの最善の利益、固有のニーズに配慮する体制を取らなければ、移民への対応は効果がなく、子どもを守ることもできない。

 ここ何年か、幅広い監視団体や市民組織が、すべての難民・移民の子どもたちのために総合的な人権に基づくアプローチを取るよう訴えている。すべての難民・移民の子どもたちの権利に焦点を当てる、ヨーロッパ委員会、特にヨウロヴァ委員長が率先する取り組みは、時宜にかなう、不可欠なものになっている。9月19日に行われた国連高官レベルの会合で、各国政府は、すべての難民・移民の子どもたちの権利を守ることを再度約束した。ヨーロッパ中の難民・移民の子どもたちが直面し、増大する諸問題は、今、ヨーロッパ全体レベルの新たな政治的取り組みと一層の行動力を必要としている。

 難民・移民の子どもたちがヨーロッパに向かう途上で、またヨーロッパに着いてから日々直面する権利の侵害は、安全や食糧、医療や住まいなどのサービスの欠如、両親との離別、恐喝、暴力、搾取、傷害、命を落とすことなどである。子どもたちが生き延びなければならない厳しい状況を、私たちはヨーロッパ各地で絶えず目の当たりにしている。医療、教育、出生届、住まいなどの基本的権利を奪われ、また移住・庇護のためのふさわしい正当な手続き、法的代理人の確保、保護者のいない子どものための有効な後見制度なども欠如している。子どもたちは保護者に同伴されず、両親と離別している場合、移住や庇護の手続き、在留のさまざまな段階でこれらの問題に直面しうる。子どもたち自身、最も心配することとして、教育、自分たちの権利についての情報、在留資格に関する不安をあげている。

 次の優先分野で、市民社会との協力のうちに即刻行動を取るよう、私たちはEUのリーダーに強く促すものである:

1.すべての難民・移民の子どもたちのためのEU行動計画の採択
2.難民保護に関する法律の改正
3.移住・難民保護に関するすべての政策において子どもを優先的に扱う
4.未成年者保護のさまざまな体制への資金供給とその強化
5.あらゆる領域で難民・移民の子どもに目を向ける
6.国境を越えて子どもを保護する
7.質の高いデータ、証拠を確保し、用いる

声明文(英語)はこちら