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サレジオ会 日本管区 Salesians of Don Bosco

ブラジル オリンピックとストリートチルドレン


 

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(ANS – 2016年8月12日 ブラジル・リオデジャネイロ)

http://www.infoans.org/en/sections/news/item/1538-brazil-olympics-games-streetchildren-need-help-not-prisons

Copyright “Jugend Eine Welt”

拘置所ではなく、助けを子どもたちに


 ブラジルで開催されているオリンピックに関連し、オーストリアのサレジオNGO、Jugend Eine Welt(ひとつの世界のための若者たち) – Don Bosco Aktion Österreichはブラジルのストリートチルドレンの悲惨な状況に憂慮を表明した。Jugend Eine Weltは長年にわたりブラジルのドン・ボスコ事業を支援しているが、多くのホームレスの子どもたちがオリンピックを前にリオデジャネイロの街から排除されたと言う。

 ふだん、リオの町には5,500人ほどのストリートチルドレンがおり、ブラジル全体では24,000人と推定される。多くの場合、子どもたちは犯罪者のように扱われ、根拠のない容疑により、法的な保護のないまま拘置された。18歳以下であれば、少なくとも未成年者のための施設や少年拘置所に収容されているが、それは将来変わる可能性があり、悲惨な状況の悪化が危惧されている。

 Jugend Eine Weltはサレジオ会員ライムンド・ラベロ・デ・メスキータ神父の言葉をあげ、ブラジルの国会が刑事責任を問える年齢を18歳から16歳に引き下げる法案を再び議会にかけたことを批判した。メスキータ神父は、ブラジルで著名な子どもの権利の専門家で、少年拘置所に収容された子どもたちを定期的に訪問している。「それは対処療法にすぎず、人生に見通しを持てない子どもたちを罰するだけです。子どもたちのほとんどは、生き延びるために犯罪をおかさざるをえない」とメスキータ神父は言う。「必要なのはもっと多くの学校であって、拘置所ではありません!」

 すでに2015年、18,000人以上の青少年がひどく過密な状態の拘置施設に収容された。同年、サレジオ会聖ヨハネ・ボスコ管区は国会にあてて公開書簡を送り、憲法にうたわれている子どもの権利を守り、刑事責任年齢引き下げに反対するよう訴えた。また、ブラジル各地の町で何百人もの学生が、非行に走らざるをえない子どもたちへの連帯を表し、法案に反対するデモを繰り広げた。

 Jugend Eine Weltはブラジルの新たなキャンペーン、「尊重、保護、保証-子ども・若者の権利のためひとつになろう」に賛同している。このキャンペーンはオリンピック期間中行われ、その後も継続されることが期待されている。(https://www.facebook.com/RespeitarProtegerGarantir/?fref=ts)同キャンペーンは、100人以上のボランティアの助けを借りて、国民や観光客に、ブラジルにおける子ども・若者の権利、ストリートチルドレンの権利の侵害について伝えている。

 「尊重、保護、保証」は、「プロジェクト・リオ2016」の一環。ライムンド・メスキータ神父によると、「プロジェクトは、ワールドカップの前、すでに2014年に始められたキャンペーンを受け、続いているものです。当時は、子どもたちの性的搾取の問題をもっぱら取り上げるものでした。」