（ANS – バチカン市国　2018年10月19日）
http://www.infoans.org/en/sections/news/item/6572-vatican-synod-the-rector-major-all-young-people-are-our-young-people?fbclid=IwAR0rcj76B_2qvXa8NsOryjVZ7bghHy0jRbo2i46ESYZAwD6NOHoaOWEgLQU

　2018年10月3日から28日にかけて、世界代表司教会議（シノドス）第15回通常総会が「若者、信仰そして召命の識別」をテーマに、バチカンで開催されている。
　10月19日、シノドスで、サレジオ会総長アンヘル・フェルナンデス・アルティメ神父は、開かれた心で若者のそばに共にいること、移住者の共同体に特別に目を向けることに焦点を当て、次のようなスピーチを行った。

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　教皇様、はじめに、このシノドスを通じて教皇様が教会に差し出される贈りものに、深く、心から感謝を申し上げます。シノドスが恵みと聖霊の現存の時であることは、疑いようがありません。

　まず、私がシノドスのテーマをピラミッドのように思い描いたということからお話しします。ピラミッドの土台には、すべての若者がいます。半ば上に行くと、信仰へと歩む若者がいます。そして頂点には、召命を識別する若者がいます。確かに頂点に到達する若者はずっと少ないのです。

　一昨日起きたことをお話しさせてください。午後、こちらを出て帰ろうとしていると、26から28歳くらいの2人の若い人たちがスペイン語で私に話しかけてきました。「すみません、色の帯をつけて頭に何かかぶっている人たちが出てくるのはなぜなのか、教えてくださいますか……？」
　この2人が教会とその牧者たちについてわずかなことしか、あるいは何も知らないことを、私はすぐに理解しました。司教が何かを彼らは知らないと感じました。そこで、ここで私たちが何をしているか説明しました。若者について考えるため、教皇がたくさんの人を招集され、若者も参加していることを話しました。
　2人は、教皇には会えるかと私に尋ねました。会えたらうれしい、教皇のことを「皆にとって良い人」だと考えているからと。
　私は2人が指輪をはめていることにも気づきました。婚約しているのか、それとももう結婚しているのかと尋ねると、自分たちは結婚していて、3歳の息子がいると話してくれました。息子の名前を尋ねると、2人の表情はぱっと明るくなりました。「ジュリアンと言います。」そして私はこのコロンビアの友人たちの幸せを願い、別れを告げました。

　私の心には、この確信が強く響いていました：この若い人びともまた、私たちの若者なのだと！　すべての若者は私たちの若者です。身内の若者、よそ者の若者などいません。

　このことを世界に広く知らせなければならないと思います：教会とその牧者たちは、世界のすべての若者を自らの若者、私たちの若者であると感じていると。除外されていると感じる若者が一人としていてはならないからです。若者は、それぞれの状況やたどってきた人生にかかわらず、私たちに温かく迎えられると感じなければなりません。

　2つ目に、世界各地のサレジオ会を訪れた際、各地の教区の多くの教会がいっぱいになっているのは、若い移民とその家族が教会を満たしているからだということを、私は目の当たりにしました。バンクーバーで、トロント、モントリオールで、カリフォルニア、ニュージーランド、メルボルンで、そして近いところでは、私の故国スペインで（実に多くのラテン・アメリカの兄弟姉妹がいます）、そしてイタリアで（ローマやトリノの多くのフィリピンの人びと）それを目にしました。

　そして私は自分自身に繰り返します：これは私たちの若者と、その家族なのだと。拒絶、恐れ、不寛容、排外主義が国々で広がりを見せる一方、この若者と家族たちが、私たちの教会に新鮮な信仰の息吹をももたらしています。

　そのため、教会として若者について語るということは、地方教会のすべての国で、若者のために、断固として勇気をもって、力強い言葉を語ることであると私は考えます。教皇フランシスコが全世界の教会のために語っておられるように。若い移民は、ほかの誰よりもさらに弱い立場にあるからです。この挑戦を、あえて取り上げようではありませんか。

　最後になりますが、若者は、あなたがたを本当に心にかけている、人生と信仰の道を共に歩みたいと願っているという言葉を、私たちから聞かなければなりません。若者たちは、私たちの愛情に満ちた効果的な存在を、自分たちのただ中に感じなければなりません。私たちが彼らに指示を与え、彼らがどのように生きたら良いかを決めたいと願っているのではなく、私たちの持っている最高のもの：主イエス・キリストを分かち合いたいと願っていることを、若者は感じなければなりません。私たちが彼らのためにいること、そして、彼らが受け入れてくれるなら、彼らの幸せと希望、喜び、痛みや涙、葛藤、あるいは意味の探求、召命、彼らの現在と未来を分かち合うためにここにいることを、若者たちは感じなければなりません。

　私たちが彼らに神のことをささやいていると、若者は感じなければなりません。卓越した正しい信仰や正しい実践には届かないかもしれません、しかし彼らは、私たちのささやかな仲介により、イエスが愛してくださっている、そしていつも迎えてくださると感じるでしょう。そのとき、すべては甲斐があったことになるでしょう。

 

シノドスに参加しているサレジオ家族のメンバーとフェルナンデス総長