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サレジオ会 日本管区 Salesians of Don Bosco

イタリア 共同体”みんなの夢”は子どもたちの家庭に


 

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(ANS – 2016年12月29日 イタリア・ナポリ)
http://infoans.org/en/sections/news/item/2392-italy-the-dream-of-a-community-that-has-become-home-to-many

 「みんなの夢」と名付けられた家庭共同体は2006年12月8日、ナポリに誕生した。ドン・ボスコだったら取ったに違いない方法で、最も貧しい子どもたちのニーズに応えようとするものである。10年の間に、数百人もの少年たちが家庭、雨露をしのぐ屋根、差し伸べられた手を、父の心、人生の新たな展望を、サレジオ会の運営するこの共同体で見いだしてきた。

 10年たった今、サレジオ会員、教育者、若者たちは、巣立って行った卒業生、協賛者、サレジオ会の友人たちを含むすべての人に共同体を1日開放して10周年を祝うことにした。

 また共同体は、家庭の体験がなく、不幸な経験をしてきた人にとって家族を見いだし、受け入れられていると感じることが何を意味するか、言葉よりも雄弁に語るビデオを制作した。

 クリスティアンは共同体に来て2年ほどである。友人たちは彼を“パッツォ=いかれた奴”と呼んでいる! ここに来たとき、クリスティアンは新しい環境にあっけにとられたが、今はわが家と感じている。ルームメイトがいて、ほかの誰とも変わってほしくないと思っている。この共同体の寮でクリスティアンは友情の意味を学んだ。今彼は、パン菓子職人になる夢を抱いている。

 ヴィットリオはここに来てまだ5か月。音楽と歌うことが大好きである。ピザ職人になりたいと希望している。このサレジオの家で、寝る場所だけでなく、大切な教訓も学んだ。「この世で一つのことを変えられるとしたら、何を変えたい?」と問われると、ヴィットリオは躊躇なく答えた。「自分!」

 彼らには2人の仲間、ムスタファとスアドがいる。この2人の顔立ちは、出身が外国であることを明かす。2人は初めなかなか馴染めなかったが、今は溶け込んでいる。イタリア語も覚え、方言も話す。「みんなの夢」の食事に関しては自分たちの好みがあるが、スタッフとは友達になった……つまり、新しい家を見つけたのだ。

 クリスティアン、ヴィットリオ、ムスタファ、スアド……実に多くのサレジオのセンター、サレジオの共同体で、数多くの貧しい子どもたちが受け入れられ、助けられている。その共同体は子どもたちの家庭となっている。