（2016年3月　インド・ケララ　Manorama紙記事より抜粋）
http://english.manoramaonline.com/news/kerala/keralite-priest-fr-uzhunnalil-abducted-yemen-aden-family.html

　2016年3月4日、朝8時半ごろ、ミサの後、武装した男たちが神の愛の宣教者会の運営する貧しい高齢者のための施設を襲撃、トム・ウツンナリル神父を聖堂に閉じ込めた後、施設内で銃を乱射、4人の修道女を含む16人を殺害、その後、トム神父を拉致した。

　トム神父はインドのケララ州出身、4年前から宣教師としてイエメンで働いている。昨年9月には任されていた教会が放火され、以来、神の愛の宣教者会の施設に住んでいた。親族によると、トム神父は以前から続いていたイスラム原理主義者たちの脅しに屈せず、神の愛を広める働きのため、イエメンにとどまっていた。

 （ANS – 2016年3月11日　ローマ）
http://www.infoans.org/en/sections/news/item/460-rmg-close-to-fr-uzhunnalil-the-words-of-fr-cereda

　中東のイエメン、アデン市の神の愛の宣教者会の高齢者施設・修道院が襲撃されてから1週間がたち、事件が起きたとき敷地内の聖堂にいたインド人サレジオ会員トム・ウツンナリル神父の消息はいまだにわからない。サレジオ会副総長フランチェスコ・チェレダ神父は、神の愛の宣教者会の4人のシスターの殺害と行方不明のサレジオ会員について、メディアの関心を持続させるため、ここ数日間に数回のインタビューを受けた。

　「トム神父がなぜ消息を絶ったか、これまでのところ何もわかりませんが、誘拐されたと思われます。」チェレダ神父はイタリアのアッヴェニーレ紙にこのように語った。「インドのスワラジ外務大臣は、トム神父を見つけ出し、解放させ、無事に連れ戻すためにインド政府は可能なかぎりの手段を尽くすと約束しました。インド司教協議会、そして特に南アラビア使徒座代牧区長ポール・ヒンダー司教, OFM Capも、あらゆる手を尽くしてくれています。」

　（中略）

　副総長は「メディアの耳をつんざくような沈黙」、無関心に驚いていると語った。伝統的にキリスト教の国々の価値観が変わってしまったように思われる一方、国民の大多数がヒンズー教徒のインドでは、事件が大きく報道されている。

　イエメンでのサレジオ会の活動について、チェレダ神父はカトリック・ニュース局に述べた。「情勢が日々悪化していることはわかっていました……全員が脱出してしまえば、イエメンにおけるカトリック教会の唯一の組織的な存在がなくなることを意味しました……そのため、残るか残らないかの決断は一人ひとりにゆだねられました。」

　トム・ウツンナリル神父、そしてやはり行方不明の神の愛の宣教者会の一人のシスターの安否について、チェレダ神父は次のように語った。「世界中のサレジオ関係者が早期解放を願って祈っています。祈りと働きかけの努力が徒労に終わることはないと私たちは信じています。」