世の光であれ!!
大阪星光学院中学校・高等学校(大阪府大阪市)
終戦後まもない1950年、マルジャリア神父が「日本の復興は“教育”から」と、まだ焼け野原が残っているこの天王寺の地に、大阪星光学院中学校を開校しました。以来、今春卒業の57期生を含めて、1万1千人を超える卒業生を社会に送り出してきました。彼らは在学6年間、校訓の「世の光であれ!!」を胸に刻み込み、教職員、保護者、仲間たちと共通の目標としてチャレンジし、社会に出た今、全国で“光”となって輝いています。燈台、電灯、ローソク、星の光と、それぞれの場で“希望の光”となっています。
「朝の放送」で始まる一日
大阪星光学院は「ドン・ボスコのミッションスクール」であることを大切にしています。朝礼は、試験期間を除いて毎日、神父による「朝の放送」で始まります。朝の新鮮な心に「良き種」を蒔いているのです。全学年を通しての「倫理の授業」で、聖書の教え、良心に基づく人の道などを一緒に考えています。
苦楽を共にする合宿の豊かな経験
教育目標として、私学ならどの学校も「知・徳・体」育を挙げますが、本校もそれを文字どおり実践しています。それは、例えば1968年に建設した「長野黒姫山荘」を使い、特に一番成長する中学生を対象として、中1・中2は2度のスキー合宿、中1で飯縄山(1,917m)、中2で火打山(2,462m)、中3で立山(3,015m)への登山に全員でチャレンジすることです。
合宿での指導は先生たちがするので、身体的な訓練だけでなく、生活を通して人間関係や挨拶、助け合いなど、多方面での成長を目指すことができます。参加する神父の朝晩の話、ミサと祈りの時間もあり、身体だけでなく、心の成長にも大いに役立っています。
1973年に建設した海辺の「和歌山南部学舎」でも、ドン・ボスコの「アシステンツァ(共にいる)」教育を行っています。昔は「水泳教室」も行っていましたが、2年連続してサメ騒動があり、中止しました。中学生は学年毎に学期に1週間「南部ならではの海を活かした授業」を行います。ほかにも、指名参加・自由参加の勉強合宿があり、友だちの勉強の仕方を学んだりできます。高校は自由参加の勉強合宿が多く、学年の6~7割の生徒が参加しています。
この苦楽を共にする合宿を経験することで、先生とも、クラスの人たちとも、すぐに友だちになります。これが「OBたちがよく遊びに来る学校」としての星光の特徴を作っています。OBは休み中の登山、スキー、勉強合宿にヘルパーとして参加し、後輩の面倒をよくみてくれます。そんな姿を見て、後輩たちも「自分もOBとして来るぞ!」と決めているようです。
頭と体を動かし、心を育む
校内には「トマス小崎研修館」があり、中学1年生は入学と同時に、7組に別れて1週間の合宿を体験し、そこから通学します。合宿の精神を学んだ彼らは、その体験が終了すると、心でも「星光学院の生徒」となります。
本校は「進学校」と言われていますが、でも生徒たちは「頭を動かすより、体を動かす」のが好きなようです。昼休みにはグラウンドが10個のサッカーボールと100人を超える生徒たちで埋まります。中1から高3まで遊んで、よく怪我をしないものだと感心します。ひょっとしたらそんなグラウンドで「思いやり」を学んでいるのかも知れません。
ドン・ボスコの学校として「笑顔と挨拶」に満ちた大阪星光学院です。
(文・写真/大阪星光学院中学校・高等学校提供)
大阪星光学院中学校・高等学校
大阪府大阪市天王寺区伶人町1-6
www.osakaseiko.ac.jp
(ドン・ボスコの風No.10 2013年1月掲載)