愛をもって自ら行動する女性に!
目黒星美学園中学高等学校(東京都世田谷区大蔵)
みなさん、こんにちは。東京都世田谷区にある目黒星美学園中学高等学校です。わたしたちの学校は、「相互の信頼を基盤に、生徒一人ひとりが備え持っている個性を活かし伸ばしていく、生徒主体の教育」を基本精神としています。
1960年に女子の一貫教育を目指し、目黒区碑文谷にある小学校の併設校として世田谷区大蔵の地に中学校を新設、1963年に高等学校を開校し、現在に至っています。ですから、世田谷にあるのに「目黒星美学園」なのです。ある生徒は「千葉県にあるのに、東京ディズニーランドと呼んでいるのと同じようなもの」と説明してくれました。
学校の周囲には砧公園や世田谷美術館、大蔵運動場などがあり、緑豊かで落ち着いた環境です。約530名の生徒が学んでいます。
生徒のいるところに教員あり
本校の創立者であるドン・ボスコの教え子(=サレジアン)といえば、「アシステンツァ(共にいる)」。本校も教育理念の一つに据え、教員たちも生徒の中にある可能性に気づきまた気づかせ、それを伸ばしていけるよう日々の小さな関わりを大切にしながら生徒と共に学び、考え、活動し、共に成長していけるよう励んでいます。
校内で好んで活用されているのが、各階の廊下、ラウンジと呼んでいるスペースでしょう。教室と同じ広さがあり、委員会やクラブのミーティングの場、行事前の作業場所、試験前には勉強会の場になっています。また季節を問わず、毎朝決まった場所で黙々と学習に取り組む生徒の姿も見られます。ラウンジは、教員や友人との語らいの場、交わりの場、学びの場といえます。
教員は学習面でも、いつでも生徒をサポートする態勢でいます。「行きたい大学へ行ける力を」をスローガンに、生徒のニーズに応えるべく、様々な学びの機会を提供し、とことん関わり、生徒自身の挑戦する力、夢を実現する力を養っています。
愛されている実感こそがその人の成長を促す
一人ひとりの中にある「意欲」が発揮されるのは、「愛されている実感」からです。最近は、うまく関わりを築けない青少年も増えていますが、中高一貫校、しかも少人数ですので、6年を通してよい関わりを築くことができます。中学時代にうまく築けなかった関係を高校時代に築き直すこともでき、クラスや学年の絆がより固くなります。お互いを理解しあっているからこそ本当の助言や励まし、分かち合いができるようになります。
Be Tough and Elegant !
目黒星美には、元気でやんちゃな生徒も多いですが、その心は優しく、他者への思いやりにあふれています。個々に与えられた力、能力を誰かのために役立てたいとの思いを抱いている生徒も多いです。各学期に行われる宗教行事や宗教の時間を通して学んだことが将来への歩みのきっかけになることもあるようです。実際、ボランティア活動に関心を寄せる生徒は多く、特に、東日本大震災後には、「私たちにできること」をスローガンに「被災地ボランティア研修」が、生徒たちによって立ちあげられました。春と夏の年2回被災地を訪問するほか、校内外での募金活動や、学園祭で被災地の商品の販売をしています。この夏で6回目となる訪問を終え、参加生徒数は、延べ100名を超えました。
そして参加した生徒たちの中から、これら体験したこと、知ったことを「発信したい」という声があがり、新たな活動として、「宮城から東京へ復興に協力しよう」ということで池袋駅前にある宮城ふるさとプラザというアンテナショップにて、商品の販売とイベントを行いました。
このような活動ができるのも多くの方々の協力や支えあってのことだということを心に留め、感謝の心、分かち合う喜び、そのために払う小さな犠牲や努力を通して、ドン・ボスコが望んだ「優しさと強さ」が少しずつ身に付き、社会に貢献できる女性へと成長していけるよう、これからも教員一同励んでいきたいと思います。
(文・写真/目黒星美学園中学高等学校提供)
目黒星美学園中学高等学校
東京都世田谷区大蔵2-8-1
www.meguroseibi.ed.jp
(ドン・ボスコの風No.14 2015年1月掲載)