サレジオ家族の聖人略伝
サレジオ会とファミリーの聖人・福者など、
神と人々に生涯を捧げた模範的な人々の略伝を紹介します。
Romero Menesez福者マリア・ロメロ・メネセス修道女1902-1977年
扶助者聖母会シスター
記念日:7月7日
1902年、ニカラグアのグラナタで生まれた。父はスペイン系で財務大臣を務めていた。裕福な家庭に育ち、祈りと貧者への愛にすぐれていた。
音楽と絵画の才能に輝いていた彼女は12歳のときサレジアン・シスターズの寄宿舎に入る。そこで、青少年教育の偉大な使徒、ドン・ボスコを知り、ひきつけられ、その精神に共鳴するようになった。人生の理想を具体的に彼女は、最初は漠然としていたが、やがて、それは、明確な輪郭を描き始め、ますます熱意に燃えるものになっていった。
19歳でサレジアン・シスターズに入会し、修練期中に神秘体験をする。立願後、1931年、コスタリカに派遣され、疲れを知らない献身によって社会福祉事業を活性化していった。福音と教会への忠実な彼女の生き方は若者たちの心をひきつけ、宣教への熱意を植えつけた。
サン・ホセの近くの村で、身寄りのない子どもたち、生活に苦しんでいる家族のために働いた。さらに、実業家や裕福な人々を、これら困窮者に目を向けさせ、摂理と信仰による救済のプロジェクトのために、協力を仰いだ。人びとは、彼女を駆りたたせ、解決策を講じさせた。カトリック・アクション会の創設、貧者への救援物資の配布、保育園の設立、無料診療所の開設など、休むまもなく貧しい人のための活動に専念し、この世の財産の公平な分配に尽くした。
住む家がなく、都市周辺での生活を余儀なくさせられた人びとのために、住まいを確保し、傷ついた心のケアのための教育的配慮も行った。これらの人びとが情緒的に安定し、宗教的に心を開き、社会生活に復帰し、人間としての品位を回復する援助を行った。これらの使徒職は、いまもなお、協力者によって引き継がれている。 彼女の働きを支えたものは、イエスへの深い愛、聖母信心を広めること、子どもや貧しい者への愛、疎外され苦しむ者への福音の伝達に対する情熱であった。
このように、「すべての人にすべてとなり」自分を忘れた生活は、観想と活動の一致をもたらし、澄み切った目で自然と人を見つめ、神の存在を見いだしていた。
1977年7月7日、初めての休息をとるかのように、ニカラグアで永遠の安息に入った。帰天後、遺体はコスタリカに運ばれ、そこで行われた葬儀には多くの参列者が集まり、彼女の聖性がたたえられた。
物質的にも精神的にも恵まれたロメロ修道女は、受けた恵みを人びとに分けることに尽くした。