サレジオ家族の聖人略伝
サレジオ会とファミリーの聖人・福者など、
神と人々に生涯を捧げた模範的な人々の略伝を紹介します。
Mary Help of Christians扶助者聖マリアサレジオ家族の第一保護者
記念日:5月24日
人間的なできごとの浮き沈みが交差する歴史の中で、キリストの民は、聖マリアの実際的助けを、幾度となく体験してきている。特に、教会の存続が重大な困難に遭遇したとき、その経験は顕著である。このような時を通して神の母、また「キリスト信者の助け」という呼び名をもって、聖母に寄り頼む習慣が生じてきた。この祝日が5月24日と制定されたのは、1814年、教皇ピオ7世が、捕囚から奇跡的に解放されて、ローマに帰ることができたのがこの日に当たるからである。
聖ヨハネ・ボスコは、「キリスト信者の扶助者」という聖母の称号の中に、教会の中における救いとして、祝された聖マリアの秘義の輝かしい姿を見ていた。「18世紀の体験は、マリアは天から継続して、教会の母、そして天において始められた教会とキリスト信者の助け手としての母の使命への最大の成功を、輝くばかりの方法でわたしたちに見せてくれます」と書かせたほどである。
ドン・ボスコの精神と使命に忠実なサレジオ家族は、より一層完全な主への委託と、若者に神の愛をあかしするために、聖マリアの母性的姿によって助けられ、導かれることをゆだねるのである。
第二バチカン公会議は、マリアは「その母性愛から、まだ旅を続けている自分の子の兄弟たち、危険や困難の中にある兄弟たちが、幸福な祖国に到達するまで、配慮し続ける。このために聖なる処女は、教会において、弁護者、扶助者、救援者、仲介者の称号をもって呼び求められている」(教会憲章62)と宣言している。
このことから、「光栄ある終生おとめマリア」を記念し、あがめ、キリストの復活を祝うことに次の意味があることをわたしたちに納得させる。①熱心に神のことばを告げ、その実を結ばせられるよう、神のことばを聖母のように聴くこと。②聖母を祈りと使徒的愛徳の模範として感じ、祈願すること。③聖母を師、案内者として認識すること。④聖母に子としての信頼をこめて助けをもとめること。
サレジアン・ファミリーの第一の保護者、知識の先生としてマリアは、ドン・ボスコが愛していたように、わたしたちも愛せるように助けを与える。つまり、司牧における愛徳の模範として、聖母は福音宣教の星、人間性を高める星として輝いている。